J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2011年10月号

TOPIC 3 人材育成に関するカンファレンス ASAP 2011 告知 グローバルスタンダードを肌で感じる アジアでの人材開発カンファレンス

世界最大の人材育成・開発機関であるASTDと、シンガポールを拠点にローカルで人材開発に携わってきたSTADAが主催する人材育成に関するカンファレンス、ASAP 2011。来る2011年11月16日から18日、シンガポールにて行われる本会議が、日本の人事・人材開発部門にとってどのような意義を持つのか。ASTD日本支部会長で、ASAP 2011のパネリストを務める中原孝子氏に聞いた。


中原 孝子(なかはら こうこ)
インストラクショナル デザイン 代表取締役/ASTD日本支部会長
国立岩手大学卒業後、米コーネル大学大学院にて、教育の経済効果、国際コミュニケーション学等を学ぶ。その後、慶應義塾大学環境情報学部武藤研究室訪問研究員として、データマインニングやeラーニングなどの研究に携わる。米系製造販売会社、米系グローバル金融機関、米系IT会社にてトレーニングや人材開発戦略マネジャーとして活躍後、インストラクショナルデザインを設立。ASTD会員、ASTDインターナショナルジャパン会長。

取材・文・写真/石原 野恵

西洋と東洋が出会う人材育成カンファレンス

2011年11月、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズを会場として、人材育成に関する国際会議ASTDSTADAAsia Pacific Conference2011( 以下ASAP 2011)が行われる。主催は、いわずと知れた米国人材開発機構ASTD(American Society forTraining and Development)と、STADA( Singapore Training AndDevelopment Association)の2団体。STADAは、シンガポールを拠点として、ASEANにおけるローカルスタッフのビジネススキル、マネジメントスキルの向上に寄与してきた人材開発機関だ。STADAのCEOであるロバート・ヤオ氏は、ASAP 2011を「西洋が東洋に出会う(West meets East)」場と表現した。これまでアジアは、西洋、特にアメリカ発祥のベストプラクティスを学ぶのみだった。ところがアジアの経済的なポジションが変わりつつある今、西洋と東洋がお互いに学び合っていく必要があるというのがASAP 2011のめざす方向性だ。本会議のプログラムは、基調講演、スーパーセッション等のセッションと展示会で構成される。実施される講演会のテーマは全9つ。いずれも、人材開発にかかわる人間が押さえておくべきベーシックなテーマ設定となっている。

グローバルスタンダードを肌で感じる機会に

ASTD日本支部会長であり、ASAP2011でパネリストを務める中原孝子氏は、その特徴を次のように話す。「まず1つには、人材開発領域の大家である専門家がゲストスピーカーとして一堂に会する場であるということ。今年5月に行われたASTD国際会議には参加できなかった日本の人材開発関係者にとっても、比較的近いアジアの地で、そういった専門家から非常に基本的なテーマを中心に話を聞けるというのは大きなメリットだと思います」また、インドやインドネシア、マレーシアなどアジアのトップ企業の話を直に聴けることも、アジア各国で実践されている人材マネジメントを知る貴重な機会となるだろう。しかしとりわけ、日本の人材開発担当者がASAP 2011に参加することの大きな意義は、人材開発領域のグローバルスタンダードを肌で感じられることだと中原氏は述べている。「日本では、人の育成は経験さえあればできると捉えている企業が多く、人材開発分野のプロフェッショナルという認識はあまりありません。一方で、欧米はもちろんアジア各国でも、専門の学問領域として人材開発を学んだ後、企業に入って人材開発のプロフェッショナルとして働くのが一般的です。そういった人々は、今回のような国際会議の場において、世界的に有名な人材開発の大家と同じコンテクストで会話ができる。もちろん個人差はありますが、この違いは決定的です」学問として勉強していない日本の人材開発担当者は、どうしても視野が狭くなりがちだ。人材開発のトレンドとして、ある1つの手法や方法論が流行ると、それが全ての解決策であるかのように扱う傾向がある。「方法論はあくまでより大きな戦略の一部とするのがグローバルスタンダード。将来の全体像を描いたうえでの議論になります。しかし日本だと、自分の好きなところだけピックアップする、たとえるなら象の鼻だけをつかんで、象全体を語るようなことになってしまっているのではないでしょうか」

現地を知らずして海外展開ができるか

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