J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2011年06月号

知識と人間力を兼ね備えた “自律した人材”を育成する

トレンドマイクロでは、知識・技術と人間力を兼ね備えた人材の育成に力を入れている。なぜな
ら同社では、学習する組織になることをめざしているからだ。社員一人ひとりが自律し、役職を
問わずリーダーシップを発揮できる組織が理想の姿だという。社員の自律性を高めるために力を
注ぐ同社の人事部を訪ねた。

IT時代の安心・安全に寄与する
トレンドマイクロ
■会社データ
設立:1989年
従業員数:4846名(2010年12月末現在)
事業内容:コンピュータ・インターネットのセ
キュリティ関連製品・サービスの開発・販売
■人事部データ
人事部人数:13名
職務内容:採用、人材育成 など
教育予算:1億3000万円(日本単体)

速い変化に対応できる自律した人材が必要

「ウイルスバスター」をはじめとした、パソコン・インターネットのセキュリティ関連製品・サービスを提供するトレンドマイクロ。現在は、世界33カ国に拠点を構える。

同社が人づくりにおいて力を入れているのが、知識と人間力を兼ね備えた自律した人材を育成するということ。その理由を、トレンドマイクロ人事総務本部人事部部長代行の成田均氏は次のように話す。「今や、インターネットは、水道、電気、ガスなどのライフラインに加わるほど重要なものになりました。それに伴い、インターネットセキュリティを担う当社の社会的責任も高まっています。社会性のある業務を遂行し、顧客ニーズに素早く応えるためには、トップダウンではなく自らを律して行動できる人材が不可欠です」(成田部長代行、以下同)

変化の速いIT業界を生き抜くために、同社では高い技術と人間力を兼ね備えた人材へと成長するための場を多数用意している。

知識・技術と人間力を兼ね備えた人材をめざして

同社が知識・技術の向上をめざし、設置しているのがe-Campusというポータルサイトだ。e-Campusは、社内外の研修、e-ラーニング、通信教育などを集めたもの。社員は、約450種ものメニューの中から自分が身につけたい、強化したいと思うものを自由に選び、学ぶことができる。「e-Campusでは、ビジネスマナー、英語、SE向けの専門知識、交渉術など、あらゆるジャンルを網羅。一人当たりe-Campusに使うことができるポイントが決められています。若手ほど多くのポイントが与えられ、最も多い層で13万円相当の履修が可能です。これは、自己投資が難しい若手の学びを支援したいというトップからのメッセージでもあります」

会社が、学びの場をしっかりと提供しても、それを余すところなく活用できるかは個人次第。元々持っている能力も、高めるべき能力も個人ごとに異なるならば、個別に教育を行うことが効果的という考えだ。

そして人間力を養成するための教育が、TLC(Trend LearningCircle)というプログラム。これは、全世界の社員を対象に実施するワークショップのこと。ワールド・カフェなどの手法を使いながら、学習する組織に必要な考え方を体得する。「課題を発見して自分で解決する力が自律した人材には不可欠。TLCの他にも、世界各国から社員が集って実施する海外ボランティア、コンピュータセキュリティ教室の講師のボランティアなどを用意しています」

e-Campusで知識・技術を磨き、TLCで人間力を磨くという2本柱が、自ら考えて行動できる社員を育てる土壌となっているのだ。

生え抜きの社員から次世代リーダーを育てる

同社では、2004年から本格的に新卒採用を開始した。その頃に採用した社員は、現在中堅クラスに成長し始めている。同社では、そうした生え抜きの社員のうち20%を6年後までに課長に育て上げるというプロジェクトが動き始めたところだ。「新卒で入社した社員は、帰属意識が高く、成長スピードが速い。このプログラムは、日本に本社を置きながらも国境に関係なく、各地域/国が自律分散的に運営される当社の独特の経営スタイル、企業文化を体現するグローバルリーダーを日本から輩出するためのものです。日本と同様の傾向があるアジア各国でも同じような枠組みができれば、国境を越えた人材の活用が促進され、より人間力を向上させる機会になると期待しています」

縁の下の力持ち

相手の時間を“いただく”だからこそムダにしない

パフォーマンスマネジメント/リーダーシップ開発/部門担当人事

脇山 葉氏

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