J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2012年10月号

連載 人事の職場拝見! Vol.21 日東電工 目的はグローバル化と競争力アップビジネスを学ぶ“アカデミー”を開校

シートやフィルム製品など約1 万3500 種類もの部材を供給する日東電工。近年は海外売り上げ比率が急伸し、社員のグローバル化や競争力アップを支える人材の育成が急がれている。今年に入り、リーダーシップ研修も大幅にリニューアル。変革期を支える人財統括部を紹介する。

日東電工
■会社データ
設立:1918年
従業員数:連結3万2198名、単体6039名(2012年3月現在)
事業内容:粘着、塗工などの技術をベースに、シートやフィルムに機能を付加し、液晶用光学フィルムや自動車用部品など幅広い
分野の製品を開発・製造
■部門データ
人財統括部(人事部、グローバル教育センター、グローバル人事センター他)職務内容:労務管理、人材採用、人材育成など

4階層のアカデミーを世界中で実施へ

機能の付加によりさまざまに利用されるシートやフィルム。日東電工の部材は液晶テレビやスマートフォン、自動車、医薬品など幅広く利用される。

用途拡大とともに、ここ10年ほどで海外売り上げ比率が30%から約70%へ急伸。グループ会社も世界28の国と地域に広がり、一気にグローバル化が進んだ。この変革期に、2000年に「日東ユニバーシティ」として始まったリーダーシップ研修を今年リニューアル。人財統括部グローバル教育センター長の桂常敦氏は語る。「修了生から多くの役員が輩出されましたが、日本語だけのリーダーシップ研修は会社の実情に沿わなくなっていました。今回からは4階層のうち、上位2階層は英語で行い、開催場所もシンガポール、上海等、世界各地で実施するようにしました」

新たに始まった研修「グローバルビジネスアカデミー」は、上位から役員候補向けの「エグゼクティブコース」、アッパーミドル層向けの「アドバンスドコース」、ミドル向けの「ファンダメンタルコース」、若手中心の「チャレンジコース」の4つだ。

ケーススタディを自ら「つくる」研修

「チャレンジコース」への参加は自薦のみ。社内から多くの申し込みがある。人気の秘密は実践的でビジネスにすぐ活かせる研修内容だ。「たとえば、ケーススタディ学習でもケースを聞くのではなく、受講生がつくっていきます。私たちが過去のエポックメイキングな出来事を与え、なぜそのようなことが実現できたかを取材するのです」

当時の経営会議の資料を読んだり、当事者たちに話を聞きに行ったりして、自らまとめることで理解度が高まり、当事者に話を聞くことで、その情熱も感じられる。

その他、理解しにくい財務の授業に、身近な在庫管理を取り上げるなど工夫している。「生産管理の専門家も呼んで、在庫1日分は当社にとっていくらのキャッシュに相当するかなどを学びます。そうすることで、実務と財務の関係を実感できるようになります」

一人ひとりの強みを最大限に生かす

日東電工では、人材育成において重視するポイントがある。1つめは自ら参加する積極性だ。「顧客の要望を聞き、技術開発し、製造し販売する。納品までに多くの職種がかかわります。全員参加が私たちのビジネスの形。その積極性を培う研修を提供しています」

2つめは全体を見る力。社内では「技・製・販」という言葉が頻繁につかわれる。技術・製造・販売であり、一体となって行動することを意味する。自身の部署だけで考えない、チームワークが日東のビジネスの基本だ。「 集合研修でいったん現場を離れて、ビジネス全体を俯瞰して、内省する機会を与えると、職場に戻っても仕事の質は格段に上がります」

3つめはビジネスをイノベートする力だ。たとえば、価格下落が激しい液晶テレビ用のパネル向けの光学フィルム。これまでフィルムは切断して納品していたが、ロール状で納入し、顧客のライン上で切断する“ロール・ツー・パネル”方式を提案。

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:929文字

/

全文:1,857文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!