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月刊 人材教育 2013年08月号

ID designer Yoshiko が行く 第74回 ASTDでキュレーションの醍醐味を味わう!

寺田 佳子(てらだ よしこ)
ジェイ・キャスト執行役員、IDコンサルティング代表取締役、日本イーラーニングコンソーシアム理事、IT人材育成事業者協議会理事、eLP(eラーニングプロフェッショナル)研修委員会委員長、熊本大学大学院教授システム学講師、JICA–NET ID Seminar講師、ASTD(米国人材開発機構)会員。著書に『学ぶ気・やる気を育てる技術』(日本能率協会マネジメントセンター)など。http://yoshiko.teradalive.net

今年も来ましたASTD(米国人材開発機構)の季節!「まったく1年なんてあっという間ねぇ」と呟きながら向かった先は、カウボーイの王国「ビッグD」ことテキサス州のダラス。24オンスの巨大ステーキでしょ~♪、タックス・メックスでしょ~♪、とはち切れんばかりの期待に胸膨らませてやってきたが、ホテルのTVに映るのは、トルネードとIRSスキャンダル、そしてアンジェリーナ・ジョリーの乳がん予防手術の経過ばかり。気候も政治も芸能界も、なんとなくザワザワと落ち着かない5月の米国である。ザワザワしているのはTVの中だけではない。人材教育の世界もまた然り、である。というのは、こういうわけだ。その昔、といってもわずか10年前の話だが、ASTDなどの国際会議は「体力勝負」の場であった。まず受付でバッジとバッグとズシッと重いガイドブックを受け取る。セッションごとにプレゼン資料の束をゲットし、ブックコーナーでサイン本を買い漁る。腕力と脚力が頼りだった。しかし今年、バッグの中にあるのはタブレット端末ひとつ。300以上あるセミナーの情報も、300人以上いるスピーカーの情報も、資料も写真も、全部入れても600グラム。腰痛持ちにはありがたいことこの上なしである。ただし、ラクなことばかりではない。10年前は、会場の受付で「こんにちは!」してから、クロージング・スピーチが終わって「では、来年!」と手を振るまでの1週間を、気合いで乗り切る短距離走。つまり「会議は会議場で行われる期間限定の“イベント”」だった。しかし今はどうだ!数か月前に公式サイトがオープンするやいなや、ネット上には会員たちが情報を発信するバックチャネルのサイトが花盛り!世界中のコンサルタントが、インストラクショナルデザイナーが、ブログ・ツイッター・フェイスブックなどで、「今年の注目はコレでしょ〜」「いやアレでしょう〜」と言いたい放題。こんなザワザワしたネット・コミュニケーションが毎日続く。そう、会議は、「リアルな会議の数カ月前からネット上で始まり、会議後も延々と続く情報洪水の“プロセス”」になってしまったのである。うまく走り抜けるには、体力だけじゃダメ。緻密なレース運びが必要なマラソンランナーの精神力が欠かせないのだ。とほほ。それにしても、このザワザワ感はどこからくるのか。情報量の多さ?話題の多様性?それとも品質のバラバラさ加減?

ザワザワ感の正体は……?

そんな今年、にわかに脚光を浴びたのが「キュレーション(Curation)」という概念である。「クリエーションの時代は終わった、これからはキュレーションだ」とか、「これからのインストラクショナルデザイナーはキュレーション&ラーニングがデザインできないとダメだ」などとASTDで頻繁に登場したこの単語。美術館の学芸員を指すキュレーター(Curator)から派生した言葉で、学芸員が絵画を収集し展示するように、情報を収集し、オリジナルの切り口で選択と構成をして、新たな魅力を演出することを「キュレーション」「キュレーティング」と呼ぶようになったのだ。さて、キュレーションとは実際に、どんなことをするのか?ASTDのアドバイザーで、この国際会議のバックチャネルとツイッターのキュレーターをしているデビット・ケリーはこう定義する。

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