J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年12月号

連載 人事の職場拝見! 第35回 成城石井 持続的成長とブランド力を両立する社員の興味と能力を引き出す育成戦略

“店側が売りたいもの”を売るのではなく、お客さまのニーズを訊き、それに沿ったものを提案する―。近年、店舗数を急速に拡大し、全国に100 店以上を展開する成城石井。スタッフの高い接客力と商品知識を維持するための人材育成が、その成長の礎となっている。

成城石井
■会社データ
設立:1927年
従業員数:3,094名(2013年1月末現在)
事業内容:食品専門スーパーマーケット。食料品の輸入、卸、製造、販売
■部門データ
人事部:9名
職務内容:新卒採用・教育、労務管理、CS推進企画・研修等

食への知見を広める商品研修を重視

“食”にこだわり、豊かな社会を創造する」を企業理念に掲げる成城石井。食への関心はもちろん、接客をベースとしたコミュニケーション能力、さらに店舗スタッフをまとめ、目標に向かって進むリーダーシップ力を備えた人材の育成をめざす。

同社はワインやチーズ、コーヒーなど、主力とする商品に特徴がある。人事部部長兼CS推進室室長の千葉文雄氏は、「そうした食への知見を広めてもらうためにも商品研修に力を入れています」と語る。

たとえばワインの商品研修なら、ワインスクールから専門の講師を招き、試飲を交えながら知識を深め、味の表現方法や各ワインに合う料理なども考える。全社員が受講し、現場の戦力でもあるパートやアルバイトにも開放している。

また、取引先の協力を得て、工場見学なども実施。商品に関する知識が広がるだけでなく、商品そのものへの興味が高まり、より伝わりやすい接客につながっているという。

eラーニングとコンテストで接客スキルをアップ

一方で、接客スキルの向上も小売業にとっては必須だ。成城石井ではeラーニングによる接客教育に注力している。社員だけでなくパートやアルバイトも受講でき、各店舗に設置したパソコンから基本的な商品知識をはじめ、文字では理解しづらい接客応対や挨拶も映像で視聴できる。

さらに年1回、全スタッフを対象とした社内コンテスト“ファイブスターコンテスト”を開催。各店舗から1〜3人ずつ、約200人がエントリーし、チェッカーの部と売り場担当の部に分かれ、応対力やスピード、正確さを競う。

「秀でたスキルを持つ上位数名には5つ星が与えられます。さらに、ファイブスター取得者は海外研修への参加資格が得られ、接客スキルの向上と共に学ぶ意欲を刺激する効果があります」

店舗拡大のカギマネジメント層の育成

成城石井はここ数年、年10店以上のペースで出店している。それに伴い、グロッサリーや生鮮といった部門長と、店舗責任者の育成が急務となっているという。

「以前は上司のもとでじっくりと学ぶことができましたが、出店スピードが速くなったために、社員は短期間でスタッフや店舗をマネジメントする能力の習得が求められるようになりました。人事としても、そこをどう育成するかが重要課題です」

その解決策の1つとして2013年から新設したのが“ショップマスター”と“エリア店長”である。ショップマスターは小規模店舗の責任者で、店長の前段階に当たる。

それまで新米店長を全面的にサポートしていたのは十数店舗を束ねるエリアマネジャーだった。しかし、店舗数の拡大で十分なフォローが難しくなった。そこでマネジメントレベルが高い店長がエリア店長を兼務し、近隣のショップマスターをサポート。ショップマスターの店舗で一緒に仕事をしながら指導する体制をつくった。

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