J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年06月号

ID designer Yoshiko が行く 第84回 日本版MOOCsスタート 開かれた教育の幕開けなるか

寺田 佳子(てらだ よしこ)氏
ジェイ・キャスト執行役員、IDコンサルティング代表取締役、日本イーラーニングコンソーシアム理事、IT人材育成事業者協議会理事、eLP(eラーニングプロフェッショナル)研修委員会委員長、熊本大学大学院教授システム学講師、JICA‒NET ID Seminar講師、ASTD(米国人材開発機構)会員。著書に『学ぶ気・やる気を育てる技術』(日本能率協会マネジメントセンター)など。http://yoshiko.teradalive.net

いよいよ日本版『MOOCs』が始まる。2年前に米国でブレークしてからというもの、すでに2000万人が見ているとか、世界200カ国にファンがいるとか、すごい人気だという噂が噂を呼び、一種の社会現象のようになったあの『MOOCs』が、ついにこの春、日本に上陸する。ってコレ、人気の海外ドラマの話じゃありません。MOOCs は、Massive OpenOnline Courses(大規模公開オンライン講座)の略。インターネットで学べる大学や研究機関の授業で、その日本版をJMOOCというわけである。

世界トップクラス講師に生徒10万人

それにしても、MOOCsは何がそんなにすごいのか。まず、とてつもなくMassive(大規模)であるということ。例えば、MOOCsを提供している代表的な組織のひとつである、スタンフォード大学のダフニー・コラー博士たちが立ち上げたベンチャー企業コーセラ(Coursera)には、米国、欧州、アジア、南米など世界100以上の大学や研究機関から提供された600以上のコースがあり、人気のクラスには10万人以上の「同級生」がいるというから、リアルな「大教室」や「マンモス大学」とは全く異なる次元の「大規模」なのである。ただ規模が大きいだけではない。世界各地・各分野のトップクラスの講師による「白熱教室」を、自分で自由に組み合わせて受講できるのも大きな魅力。ちなみに食いしん坊の私は現在、香港科学技術大学・チャウ教授とラウ教授の授業「美食の科学コース」で「完璧なステーキの焼き方」を学習中。パソコンの画面からいい匂いが漂ってきそうな美味しそうな授業に味をしめて、この夏開講のミラノ・ボッコーニ大学「インフラ投資学入門」と、ニューヨーク・ロチェスター大学「ビートルズの音楽論」も登録済みだ。10年前には想像できなかった、こんな「自分だけの超贅沢なカリキュラム」が実現するのがMOOCsの強みの第一だ。そして次に、受講はOpen(無料公開)であるということ。ウェブ上で受講申し込みをして、「修了証がほしいのか、興味があって見たいだけなのか」などの簡単なアンケートに答えれば、誰でもすぐに、受講が開始できる。講師の魅力満載のビデオ教材は繰り返し視聴できるし、コースの進め方や、レポート提出期限についてのきめ細やかなサポートメールは頻繁に届くし、オンライン上のコミュニティーであるディスカッション・フォーラムや、リアルな会合であるミートアップ(オフ会)のお誘いもあるし、これだけ至れり尽くせりのサービスを受けても無料なのだ。

JMOOCのこれからと課題

ここで2つの疑問が浮かぶに違いない。「なぜこんな素敵なサービスを日本に導入するのに2年もかかったの?」と「どうして授業を無料で提供できるの?」、である。

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