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月刊 人材教育 2014年06月号

社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第15回 「取引先にセクハラする社員」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

藤原 英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文]=山村 友幸 [イラスト]=秋葉 あきこ

今月のお悩み取引先にセクハラする社員

取引先の若手担当者のAさん。先方の社風なのか業界の慣習なのか、どうにも軽いノリ。当社の女性社員に対して、「今日もかわいいね」などとセクハラに当たるような発言をする。特にBさんのことがお気に入りで、来社のたびに声をかけている。機会をみて「セクハラではないか」と伝えてみたが、通常のコミュニケーションだといって改める様子もない。社外の人間だから処分などできないのはもちろん、大切な取引先でもあるので関係を壊したくはないが、放置していていいとも思えない。どうすればいいだろうか。

放っておくと……

セクハラについては、ずいぶん前から社会的にも周知されており、研修や相談窓口など十分な体制が整っている会社が多いと思います。とはいえ、昔ながらの男尊女卑やセクハラ文化が残っている会社も依然として存在しており、そのような会社と全く取引しないということも難しいでしょう。今回の相談のような事例も珍しくありません。

どのような問題があるか

まず会社は、セクハラ行為を行っているのが自社の社員かどうかにかかわらず、自社の従業員がセクハラを受けないように雇用管理上の措置を講じる義務があり、放置してはおけません(雇用機会均等法違反になります)。接客業で、顧客にセクハラを受けるなどの場合も同様です。また取引先にも、従業員がセクハラを起こさないようにする義務があるので、もし他の会社から苦情の申し入れがあれば何らかの措置を講じる必要があります。Bさんがセクハラ行為により受けた精神的損害の責任を問うということになれば、Aさんは民法上の「不法行為責任」を問われます。さらに、業務中にセクハラ行為をしていることを知りながら放置していたならば、Aさんを雇用している会社が「使用者責任」を問われますし、Bさんを雇用している相談者の会社も安全配慮義務違反を問われます。

対策として

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