J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年08月号

CASE.3 ヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・アジア(インドネシア) 現地社員が「成長する喜び」を実感する会社

現地人マネジャーたちがつくったフィロソフィー「仕事に対する喜びと誇りをもつ」が息づくヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・アジア。このことが、自発的に現地スタッフが学び合う風土を醸成している。皆が学びあう職場では、どんな仕組みが機能しているのだろうか。

鉄村 直哉 氏 P.T. Yamaha Music Manufacturing Asia (Indonesia) 社長

P.T. Yamaha Music Manufacturing Asia(Indonesia)
1997年設立。デジタル楽器およびその部品の製造、プロオーディオ機器および
その部品の製造を主な事業とする。従業員数:4000名(うち日本人駐在員13名;2014年6月現在)

[取材・文]=近田 高志(JMA) [写真]=ヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・アジア提供

●育成の基本自ら学ぶことの喜び

『仕事に対する喜びと誇りをもつ』ヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・アジアに足を運んだ時に、真っ先に目に入ったのが、このスローガンだ。もちろんインドネシア語で書かれているが、10年ほど前に、現地人マネジャーたちがヤマハの歴史や社訓を踏まえながら、合宿も交えて1年かけてつくりあげた、同社のフィロソフィーである。

ヤマハ・ミュージック・マニュファクチュアリング・アジア社は、インドネシアに5つあるヤマハの現地法人工場のうちの1つ。1997年に設立され、従業員数約4000人の平均年齢が24歳と若い会社だが、『感動を・ともに・創る』というヤマハの企業理念は現地の社員にも脈々と受け継がれている。同社の鉄村直哉社長は、次のように語る。「現地でのマネジメントにおいてはさまざまな課題はありますが、人材育成には従来から力を入れ続けています。現地人のスタッフたちは、社内で教育を受け、成長できることに喜びを感じてくれ、自発的に改善のアイデアを出し合い、学び合う風土ができています」

実際に、同社ではさまざまな人材育成の取り組みがなされている。同社に入社した従業員は、まず新入社員の研修用に特別につくった製造ラインで、基本的な仕事を覚えることから始まる。そして現場のオペレーターは、製造ラインの全ての作業について、どれほど習熟しているかを個人ごとにスキルカードに「見える化」され、製造ラインに掲示されている。それぞれの作業の習熟度を高めると共に、複数の役割が担えるよう多能工化(キャリアアップ)ができるような仕組みができている。さらに、高い技能を持った従業員の仕事ぶりを分析し、その秘訣を皆で学び合うという活動も、現場における自主的な活動としてなされている。高技能者にとっても、自分の経験が仲間の成長に寄与できることで、喜びを感じることにつながる。人材育成の取り組みは、製造現場でのOJTにとどまらない。工場内の研修室では、品質管理や改善に関する講習が提供されているほか、スーパーバイザーやマネジャーは、マネジメントやリーダーシップにかかわるトレーニングを受講する。

そして、もう1つ同社における人材育成の特徴的な取り組みとして、日本本社への派遣研修がある。オペレーターとスタッフのそれぞれから、毎年数人が、1年あるいは2年という長期間、日本へ派遣され、実務を学ぶのである。この取り組みはすでに11年ほど継続されており、これまでに100人以上のインドネシア人従業員が参加をしている。

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