J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年09月号

おわりに 伸ばしにくい能力を見極める仕組みをどうつくるか

事実上、採用活動の時期が短くなりそうである2016年卒採用に向け、今回の特集を組んだ。企業も学生側も疲弊を余儀なくされている現在の採用・就職活動を、2016年に向け、どのように転換していくべきなのか。特に、伸びそうな人材を採用するにはどうしたらいいのか。

今回の重要な示唆は、なんといっても服部泰宏氏(横浜国立大学大学院 准教授、66ページ)の「何を見て何を見ないかという発想を持つ」ことだろう。

日本企業では「コミュニケーション能力」などを採用要件として重視しているが、コミュニケーション能力は、実は鍛えれば誰もが身につけられる能力である。そうした、“入社後も育成すれば伸びそうな能力”で人材を選んでしまい、逆に、“入社後に育成できない重要な能力”を持つ人を見落としてしまっていないか、という指摘である。

ちなみに服部氏は、採用を「採用学」という研究分野に起こし、こうした科学的な視点を採用活動に持ち込むべく、産学共同の「採用学プロジェクト」を立ち上げ、協力企業と調査を行っている。今後も注目の若手学術研究者である。

インターンシップで見極める

独自の採用方法で、自社が重要視する“クリティカルワーカー人材”を見極めているのがワークスアプリケーションズ(74ページ)だ。クリティカルワーカーとは、「前例のない仕事に取り組み、自らの思考、発想でブレークスルーする人材、問題解決能力の高い人」であるという。地頭が優れた人、とも言い換えられるが、確かに育成に時間がかかる能力だろう。

同社では、学生の春休み・夏休みの時期に20日間のインターンシップを行い、この能力を見極めている。「インターンシップ」といっても、会社で実際の仕事をしてもらうのではない。会場を借り切って、実際の仕事とは別のプログラムを行ってもらい、同社の正社員が直接指導や面接にあたる。1000名ほどを受け入れるというから、大規模で、コストもかけている。

インターンシップを受けた入社希望者は、ABCの3段階評価をされ、A──特にクリティカルワーカーの素質があると評価された人には1年間有効の「入社パス」を発行する。入社後も、思考プロセスを見る「スターターミッション」という突破型研修が待っている。入社前の時点ですでに、自分の頭で、さまざまな方向から考える力があるかを見極めているのである。

見極める仕組みを工夫する

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