J.H.倶楽部

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Learning Design 2020年01月刊

おわりに デザインの力を 企業の成長につなげるために 必要なこと

「デザイン」とかかわりがない仕事などない

「デザイン」を「芸術的なセンスが必要で、自分の仕事には直接関係がないもの」――。そうとらえてはいないだろうか。だが、いまはビジネスの現場でも、「デザイン経営」や「デザイン思考」といった言葉が使われるようになってきた。これまで色や形といった、モノの外観を指す言葉として使われることが多かった「デザイン」だが、本来の「設計」や「計画」という意味も含めてとらえられるようになってきたのだ。

どのようなコンセプトのもと、どのような製品やサービスをつくり、それをどう顧客に届けるか。そこまで含めた一連を「デザイン」ととらえれば、自分の仕事はデザインとはかかわりがない、と明言できる人などいないはずだ。もちろん色や形といった意匠の意味での「デザイン」のもつ力も、とてつもなく大きい。日本企業はおしなべてその力を軽視する傾向にあったが、これからの時代、デザインの力を経営に生かしていくことが企業の競争力を高める鍵になる。

本特集では、識者の意見と企業事例から、デザインを企業の成長につなげるヒントを探ってきた。そのポイントをまとめてみたい。

POINT ❶一気通貫でビジョンをとらえる

これだけ世の中にモノが溢れるなか、私たちはどのようにモノを選ぶのか。機能なのか、格好良さなのか、ブランドなのか。どちらにしろ、大事なのは心に訴えてくるメッセージがあるか、「ワクワク」させてくれるかどうか、ということではないだろうか。

そのために必要なのが、ビジョンやコンセプトを一気通貫で伝えていくことだといえる。前述のように、本来のデザインの意味は、目的に向かってどう工夫し、どう表現していくかという「設計」にある。コンセプトから製作、ユーザーとの接点まで含めて、一貫してビジョンを貫かなければ、どんなに製品に想いやメッセージがあっても、それが顧客に伝わるはずはない。

田子學氏(OPINION3)は、一気通貫でビジョンを見ていくために意識するべきことを「ロジック」「センス」「ラブ」という言葉で表現している。どんな想いでどんな価値を顧客に届けたいのか、それをどう見せていくかという「センス」や、「ラブ」が欠落した商品に勝ちめはないだろう。開発過程の上流から下流まで一貫したビジョンを貫くからこそ、センスやラブに溢れた、顧客の感情に訴える商品をつくることができるのだ。

POINT ❷デザイナーが最上流からかかわる

モノやサービスをつくるうえで、一貫したビジョンのもとにプロジェクトを進めていくためには、デザインのトップを経営陣に入れることが不可欠だろう。澤井智毅氏(OPINION2)は、デザイン経営における一番大事な要素として、デザイン責任者の経営チームへの参画を挙げている。

デザイナーといえば、製作のプロセスの途中、しかも完成に近い段階で、「色や形を決める役割」を与えられることが多い。しかし、思想的に統一されたデザインを徹底し、より強いメッセージ性をもたせるには、デザイナーを企画の初期段階から経営の中枢に据え、コンセプトからデザイナーがかかわることが重要だ。

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