Part 2 『連合評価委員会〈最終報告〉』リポート 「外部」から見た 労働組合の姿と改革の視点
連合は発足以来、21 世紀の労働運動像の再構築を目指して、「21 世紀連合ビジョン」を始めとしたさまざまなビジョン、アクションプランを策定している。『連合評価委員会<最終報告>』も、そうしたビジョンづくりの1つとして位置づけられるものであり、弁護士の中坊公平氏を座長に、労働組合の外側に位置する識者が、連合運動全般に対する評価・提言や、労働組合の社会的評価等についてコメントしたものである。
社会全体の危機と労働運動の危機
『連合評価委員会<最終報告>』は、「危機の現状」「改革に向けての視点と方向性」「改革の課題・目標」[この改革を生かすために] の4部構成になっている。
このうち、「危機の現状」は、社会の危機と労働運動の危機とを整理したものである。
<最終報告>では、現在の日本を、「政治も統合能力を喪失」し、「経済だけでなく社会や政治という社会全体を構成するすべての領域で崩壊現象が生じている」と分析している。そして、現在進められている構造改革はアメリカンスタンダード型の経済至上主義、金融至上主義であり、格差の拡大と不平等の進展が深刻化、「『公平な分配とは何か』という視点が急速に抜け落ちようとしている」と指摘している。

