連載 誌上コンサルティング 第42 回 コーチングを通して風通しの良い 組織風土にしたい
Q.
当社では現在、全社的な組織活性化の一環としてコーチングの導入を考えています。昔ながらの上司から部下への一方通行の指示・命令だけでなく、上司・部下双方向のコミュニケーションができる風通しの良い組織を目指していきたいと思っておりますが、組織の風土は一朝―夕で変えられるものではないことも認識しております。コーチングの導入に際して最も効果の期待できる方法と、併せて実施すると相乗効果のある施策や留意点についてアドバイスをいただけますでしょうか。
(リース・人事)
A.
企業におけるコーチングはマネジメントスタイル、そして管理職と部下との関係のあり方を見直していこうというものです。それによる「個と個」の関係性の変化は、組織の風土・体質にどのような影響を与えるのでしょうか。
組織風土は、組織がつくられた経緯や歴史的背景、組織目的や構成員の特性などによって形成された、その組織特有の価値観や考え方に大きく左右されるものであり、最終的には物事の判断や大に対する接し方、構成員の行動パターンとなって表れます。管理職のマネジメントスタイルも、その人のパーソナリティだけで決定されているわけではなく、むしろ組織風土・体質によって既定されている場合が多いといえるでしょう。
密接な関係にある組織風土の変革とコーチング
組織風土の変革とコーチングとは、特に次の2点において密接な関係にあり、コーチングの導入をきっかけにして風土を変えていくことは十分可能でしょう。