ケース バンダイ グループ内の人材の流動的活用を目指し 新たな人事システムを構築
総合玩具最大手のバンダイは今年3 月、新本社への移転とともに新たな人事システムを稼動させた。狙いは制度変更へのスピーディーな対応、そしてグループ内の人事情報のインフラの構築にある。新システムにはワークスアプリケーションズのパッケージソフト「COMPANY」を採用。システム開発は人事担当者4名で対応し、日常業務と並行しながら導入を実現させた。
スピーディーな制度変更とグループ経営への対応
バンダイは2002 年夏、従来の人事システムを見直し、ワークスアプリケーションズの人事・給与システム「COMPANY」を導入して新たな人事システムを構築することを決定した。新システム導入に踏み切った理由は、大きく二つある。一つは制度変更へのスピーディーな対応、そしてもう一つはグループ経営への対応である。
導入から10 年以上経つ旧システムは、業務が変わるたびにカスタマイズを加えてきたが、ここ数年は人事業務の変化のスピードが速く、システムの変更にかかる手間とコストが無視できなくなってきていた。場合によってはシステムとは別にExcel を活用して補うことも少なくなかったという。総務・人事部人材支援チーム兼社長室人材戦略チームマネージャーの薄衣泰雄氏は、同社の人事業務の変化の速さについて次のように語る。
「当社の場合、人事制度はかくあるべしといった考え方はなく、経営環境の変化に合わせて柔軟に制度を変えていく傾向があります。ですから、例えば昨年まで実施してきた給与体系や異動の仕組みなどについても、会社の方向性にそぐわなくなったと判断すれば、期の途中でも社員の理解を得て変更していくこともあります。その結果、人事業務も次々と変更が発生し、絶えず走りながら変更していくような状況になっており、それに対応できるようにシステムも改めることにしたのです」
グループ経営への対応については、約30 社あるバンダイグループ内での人材の流動性を高め、グループ全体での効果的な人材配置を2005 年度から実施する予定になっている。そうなれば、これまでバンダイ本体だけで活用してきた人事システムをグループ全体で活用できるようにしていく必要がある。
この2つの目的を実現できるシステムにするために、複数のパッケージソフトを検討した結果、同社が採用したのがCOMPANY だった。検討期間中には、既にCOMPANY を導入している他社を訪問し、利用状況についてのヒアリングを行い、自社での導入イメージを固めていったという。
「COMPANY で注目したのは、カスタマイズが不要で導入後も新しい仕様に更新していける点、複数のグループ会社の人事業務も一元管理が可能な点、また、ユーザー同士が交流でき、改善してほしい要望を出せる『ユーザーコミッテイ』という場があったことです。そしてこれだけの機能を満たしながら、コストもかなり安く抑えられているので、当社の課題に応えられると判断しました」(薄衣氏)