J.H.倶楽部

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Learning Design 2018年07月刊

気づきのエンタ 第1回 Movie 人事に役立つ映画 リーダーの在り方、そして泣きどころ

人材開発担当者にご紹介したいエンタメ情報です。
仕事の合間の息抜きにぜひ!


『戦場のメリークリスマス』
1983 年 日本、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド
監督:大島 渚

樋口尚文(ひぐち なおふみ)氏
佐賀県出身。映画評論家、映画監督。早稲田大学政治経済学部卒業後、電通に勤務。30年にわたり会社員をしながら映画評論家、映画監督として活動。著書に『大島渚のすべて』(2002年)他多数。
映画作品に『インターミッション』(2013年)、『葬式の名人』(2019年公開予定)など。

師弟愛や人材育成にまつわる映画といえば『七人の侍』『赤ひげ』などの黒澤明作品が真っ先に浮かぶわけだが、しかし日本映画の名匠の中で、集団や組織と指導者の主題を好んで掘り下げていたのは大島渚監督だろう。

自ら手本になるリーダー像

第二次世界大戦中のジャワの日本軍捕虜収容所を舞台にした大島渚監督の大ヒット作『戦場のメリークリスマス』は、坂本龍一扮する収容所長のヨノイ大尉のマネジメント上の懊悩が軸になっていて興味深い。この収容所には英国やオランダなど諸国の軍人は捕虜となっているが、東西の文化の違いゆえ、時には捕虜のほうから反発の騒ぎが起こる。それを鎮静化させるためにヨノイ大尉は銃剣で圧するのではなく、数日間の断食による「行(ぎょう)」に訴える。それ自体がナンセンスだと呆れる俘虜長に、名優トム・コンティ扮するロレンス中佐が「しかし行で我々を律するときには、ヨノイ自身も行を行うぞ」と説く。つまり、ヨノイは山本五十六のように「口だけでなく自らやってみせる」リーダーであって、そこはこの異議だらけの俘虜たちも認めざるを得ないのだった。

また、こんなひと幕もあった。ヨノイに実直に仕えるビートたけし扮するハラ軍曹が、クリスマスの晩に酔っぱらって、拘禁中だったデヴィッド・ボウイ扮するセリアズ少佐らを釈放してしまう。翌日、ヨノイ大尉はハラ軍曹をこてんぱんに叱責し、その責任をとって飛行場建設の作業に行って来いと命ずる。そしてヨノイは「酒なしで謹慎せよ」と言いながら、しおしおとなっているハラに恩賜のタバコを勧めるのだ(一瞬菊の紋がアップになる)。本当に何気ない部分だが、ハラに組織上のペナルティは課しながらも、それはそれとして個としてのハラへの労いは忘れないヨノイの人柄が透けるシーンである。

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