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月刊 人材教育 2017年02月号

おわりに パフォーマンス向上の鍵は、 自主性・意欲、そして上司の関わり方

パフォーマンス向上とは

来るべき人手不足への対応や、ワークライフバランスの実現に向けて、限られた時間と労働力で業績を上げていくために必要なのは、組織と個人のパフォーマンス向上だろう。最近、GEやマイクロソフトをはじめとした多くの米企業が、年次評価をやめ、日常的なフィードバックを重視する「パフォーマンス・マネジメントの変革」に着手しているというトレンドもある。

そこで本特集では、今、最も求められているパフォーマンス向上のための方法について、識者に話を聞きながらヒントを探ってきた。その中で明らかになったのは、重要なのは上司の関わり方だということだ。

インストラクショナルデザイン代表取締役の中原孝子氏OPINION1、24 ページ)は、部下のパフォーマンス向上のために上司が関与すべきなのは、部下の「インプット」「プロセス」「アウトプット」だという。つまり、部下一人ひとりの目標を決め、成果を出すためのアクションプランを一緒に考え、部下のコミットメントと行動を引き出すこと、また、改善策を検討し、支援することが、上司が行うべきマネジメントなのだ。

パフォーマンスに影響するもの

では、パフォーマンスの良し悪しは何に影響されるのか。本人の知識やスキルに拠る部分が大きいと思うかもしれないが、中原氏は、実際のパフォーマンスの8割は、指標や組織文化環境、体制といった「外的要因」と「モチベーション」によって決まるのだと説明する。

振り返れば、事例で紹介した3つの企業の取り組みは、パフォーマンスに影響を与えるこの「外的要因」と「モチベーション」につながっているといえる。

①レーティング評価の廃止と、上司と部下の面談の充実(CASE1ギャップジャパン、38 ページ)

②独自の指標を用いた360 度評価の実施(CASE2、クレディセゾン、42 ページ)

③コミュニケーション活性化とモチベーションアップのための施策(CASE3、日立ソリューションズ、46 ページ)

ギャップジャパンは2013 年、個々の目標達成と成長に主軸を置いたパフォーマンス評価制度を導入した。レーティング評価をやめ、社員自身が目標を立て、上司と部下が毎月面談を行う制度に変えた理由のひとつは、それが社員の主体性とモチベーションにつながるという考えからだ。主体的な組織風土は、個々の責任感と互いの信頼関係を醸成し、それがまた仕事への意欲につながる。

クレディセゾンは、どんなことにでも夢中になれる「夢中力」と「ビジネス感度」( 知性、理性、感性)が高い人材を、同社で活躍できる人材像に据え、この指標に沿った独自の360 度評価を作成した。明確な指標は、パフォーマンスに影響を及ぼす外的要因のひとつである。人事評価には影響しないというのも特徴で、皆、自分のための評価だと素直に受け入れ、改善のための行動変容につなげていくという。

一方、日立ソリューションズは、「全ての施策の根幹はコミュニケーション」と捉え、互いに褒め合い認め合う制度を導入したり、さまざまな階層や部署の人たちとの懇談会や運動会を企画。モチベーションを上げるために行っているワークスタイルの変革は、上司層から進めることで一般社員への浸透を図っている。

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