J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2017年01月号

アメリカ人が見る、日本人の未来  厚切りジェイソンが斬る “Why Japanese People & Company!?”

お笑い芸人として活躍しながら、IT企業の役員も務める厚切りジェイソン氏。
来日して5年、Twitter ではフォロワーの人生相談にも応じていた氏が、日本企業やビジネスパーソンの今と未来を、過激に警告する!


厚切りジェイソン(あつぎり じぇいそん)(ジェイソン・D・ダニエルソン)氏
お笑い芸人/ IT 企業役員

1986 年アメリカ生まれ。本名はジェイソン・D・ダニエルソン。17歳でミシガン州立大学へ飛び級入学。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士課程修了。2011 年に外資系企業の日本法人社長として来日。IT企業の役員を務めながら、2014 年10 月にお笑い芸人としてデビュー。漢字やことわざを用いて“WhyJapanese People!?”と問いかけるネタが人気を博す。近著に『ジェイソン式英語トレーニング 覚えない英英単語400』(主婦と生活社)がある。




[取材・文]=田邉泰子 [写真]=中山博敬

非効率だし、決めないね

―芸人であり、ITベンチャーの役員でもあるジェイソンさんですが、“Why Japanese Company!?”と思っていることはありますか。

厚切りジェイソン(以下厚切り)たくさんありますよ(笑)。まず効率が悪いことが多い。何でもface to faceでやろうとする。電話やメール、スカイプで済むような内容なのに。それから、何でも100%を求めるところ。残り5%のために、それまでの2倍3倍の時間と労力を費やすでしょ?だったら95%のところで一度相手に見せたりしたほうが効率いいのに、なぜ5%にこだわるのかとても不思議です。あと、稟議書や印鑑も。

―稟議書や印鑑の何がWhy!?ですか。

厚切り

稟議書は、組織の中でグルグル回っているだけって感じがする。印鑑もボス本人が押しているものだとは限らないでしょ?何の証拠にもなってない。会議でも、異なる意見があれば、その場で議論すればいいのに、会議の外の根回しが大事。それならなぜ会議なんてするんだ。みんな暇なのか!稟議書にしろ印鑑にしろ会議にしろ、責任持ちたくないし、決めたくないように思える。早く決めたほうがいいですよ!

―今あるものに、疑問を感じずにいるということですね。

厚切り

まだあります。日本の取引先に何かを提案すると、すぐ「いいですね」「前向きに検討します」って言うけど、実はやるつもりがないこともよくある。「興味がない」ってはっきり言え!

アメリカでは、関心がなければすぐ伝える。それがお互いのためだから。「検討します」なんて返されたら期待して頑張っちゃうだろう?曖昧な態度は、両側にとって無駄なだけだよ!

―無駄なだけ……。

厚切り

無駄だと思いますよ!! その時間を使って他のことができるでしょう?稟議書をグルグル回したりしていると仕事が進まない。

進まないってことは、成長しないのと同じですよね。

日本は成長しづらいシステム

―成長しない、ですか。

厚切り

してないですよ! そういえば、日本の会社の採用の仕方もすごくヘンだと思います。大学での専攻が仕事に関係ないことが多い。学んだことを全部捨てて、また一から教えて仕事させるというのは、大学に行く意味がないでしょう。

アメリカでは、在学中に必死で専門知識を身につけて、入社後すぐにそれを活かす。そもそも「オレが一番だ!社長になってやる!!」ってほとんどの人が思っているから、仕事で成果を上げて、アピールして、より大きな仕事と責任あるポジションを自分から取りにいきます。日本とは新卒の段階で、もう4年の差がついていますよ。だって日本の1年目の社員の仕事は“電話取り”と“お茶汲み”と聞いたことがありますし。

―いえ、それだけではないです。

厚切り

でも僕は、入社して3年、24歳でもう支社長を任されていました。日本では考えられますか?

―確かに、ベンチャーでなければ20 代に社長は任せないですね。

厚切り

要は、日本の会社は実力で評価していないということです。能力が高くても、若かったり社歴が浅かったりすると、それだけで責任ある仕事を任せてもらえない。というのも、会社にどれだけ長くいるかでポジションや給料が決まるから。日本とアメリカで、雇用の仕方が違うのは知っているけど、こういうのはどうなの? と思うよ。

仮に、上司や先輩よりもいい成果を出したら、それはボランティアとほぼ同じ。だって、それでも給料は上司や先輩のほうが高いでしょう?

そんな環境では、モチベーションが下がったって仕方がない。ほどほどにこなしていればいいか……と思う。

―自分で上限を決めてしまう。

厚切り

そう。だから、日本の会社はデキない人にとっては働きやすい。会社の言うことさえ聞いていれば給料はもらえるし、クビの心配もないから。でも、本当にデキる人なら、転職してもっと評価してくれるところに行くでしょ。どちらにしろ、会社の成長にもならない。日本は、社会全体がそんな傾向にあると感じます。

―全体が、ですか。

厚切り

例えば新たな取引先を、数値や性能といった成果よりも「お付き合い」を優先して決めることがありますが、これは非常によくない。なぜなら、提供する側は製品で勝負しないし、導入する側はまあまあなスペックのものを使うことになるでしょ?もっと自社に性能で合ったものが世の中にあるはずなのに。(そうすると、会社にも正確な製品評価が伝わらず)効率や成長の面で、互いに大きなロスが生じているんですよ。

欧米など他の国では、「自分たちが求める条件に適うものかどうか」で判断する。ちょっとでも他社に劣るものは売れない。だから、本気で競争する。互いに切磋琢磨すれば、レベルはどんどん向上する。日本と世界では、そういうエコシステム(生態系としての競争)のレベルが全く違っているんです。

日本人は不思議で仕方がない

―日本の企業はWhy!?なことだらけ、なんですね。

厚切り

会社だけじゃない。働く人たちを見ていても不思議で仕方がありません。

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