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月刊 人材教育 2017年01月号

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第51回 「きっと、うまくいく」川西玲子氏 時事・映画評論家

「きっと、うまくいく」
2009年 インド 監督:ラージクマール・ヒラニ

川西玲子(かわにし れいこ)氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『映画が語る昭和史』(武田ランダムハウスジャパン)、『戦前外地の高校野球 台湾・朝鮮・満州に花開いた球児たちの夢』(彩流社)等。




『きっと、うまくいく』
発売・販売元:ハピネット
価格:DVD ¥4,200(本体)+税 好評発売中
エンジニアをめざす天才が競い合うキャンパスで、“3バカトリオ”が珍騒動を巻き起こす。抱腹絶倒の学園コメディに見せつつ、加熱するインドの教育問題に一石を投じ、真に“今を生きる”ことを問いかける作品。映画大国インドで歴代興行収入第1位を記録。
©Vidhu Vinod Chopra Production 2009. All rights reserved

この作品は2009年にインドで公開され、興行収入を塗り替える大ヒット作となった。インドの教育界最高峰の工科大学を舞台にした青春ドラマである。全体的にはテンポのいい喜劇だが、社会性も高い内容で、日本では2013年に公開されて話題になった。

主役はランチョー、ファルハーン、ラージューの3人。それぞれ個性的な若者だ。ランチョーは「Aal Izz Well」(きっとうまくいく)がモットーの、自由奔放な若者。競争至上主義で若者たちを追い立てる社会の在り方に疑問を抱いている。そのため学長としばしば衝突するが、成績は優秀だ。

ファルハーンは中流家庭の息子で、生まれた時点で父親に「この子は将来エンジニアになる」と決められてしまった。その意向に沿って工科大学に進学したが、本当は動物写真家になりたい。だが父親にそれを言い出すことができないでいる。

ラージューは家庭が貧しく、父親は病で寝たきりだ。姉は未婚でまだ実家にいる。両親の期待を背負って常に重圧に悩まされ、お守りの指輪をたくさんつけている。このラージューとファルハーンの成績は、何とかぎりぎり合格という低空飛行である。

一方、何かにつけてランチョーと衝突する学長には、医学生の娘ピアがいる。ピアには経営学を学びアメリカに留学予定の婚約者がいるが、ランチョーと恋に落ちてしまう。その他にも、ウガンダ生まれのガリ勉で、テストでいい点を取ることしか考えていないチャトルや、大学内で荷物運びなどの仕事をしている小柄なマンモーハンなど、多彩な脇役を配して、インド社会の実情を浮かび上がらせている。

○ランチョーの魅力と能力

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