J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年12月号

JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 メタウォーター 「変革」「挑戦」「多様性」がかなえた 「自ら動く」手上げ式研修

上下水道事業は官民連携(PPP)の加速など、大転換期を迎えている。
その中で水・環境のトータルソリューションを提供するメタウォーターは、成長を続けている。
同社には社員が自ら積極的に参加する「手上げ式」研修が根づいており、中でも通信教育は安定した受講率と高い修了率を実現している。


藤井 泉智夫氏 執行役員 経営企画本部 人事総務企画室長

企業プロフィール
メタウォーター
2008年4月、日本ガイシ、富士電機の各水環境子会社の合併により発足。国内外の上下水道施設、環境関連施設の設計・建設、運転・維持管理までを担う。
水と環境分野のトータルソリューションカンパニーを標榜。2014年12月、東証一部上場。
資本金:119億4670万円、連結売上高:1030億9800万円(2016年3月期)、連結従業員数:2839名(2016年3月現在)

取材・文/JMAM 写真/メタウォーター提供、JMAM

「水ビジネス」転換期の共通価値観

メタウォーターは2008年4月、日本で初の水環境分野における総合エンジニアリング会社として、富士電機と日本ガイシの水環境事業分野が合併し発足した。

「今、事業環境としては非常に大きな転換期を迎えています。発足以来、機械と電気の両方を備えた企業として、さまざまな自治体の上下水道設備を納めてきましたが、これからは施設の設計・建設に加え、管理・運営を包括的に請け負っていく、いわゆる『官民連携(PPP)』が主流の時代です。当然、社員の教育にも変革が必要になっています」と、人事総務企画室長の藤井泉智夫氏は、教育改革が急務な現状について説明する。

「例えば以前は仕様発注といって、お客様から『こういう仕様で作ってほしい』と言われた内容のものを、そのまま作ればよかった。それが今は性能発注、つまり『こういう性能のものを作ってほしい』と言われるので、お客様がその性能で求めている具体的な設備とはどんなものなのか、こちらで意思決定しなければなりません。これにはリサーチも必要ですし、スタッフにはより広範で多様な能力が求められるようになってきています」(藤井氏、以下同)

さらに、同社の社員の多様化も進んでいる。もともと2つの会社が1つになった合併会社であることに加え、さらなる事業拡大のために、現在多くの中途入社採用を行っているのだ。新卒入社を含めると、既に3割強の社員が発足後の「メタウォーター」による採用となっており、「多様な人がたくさん働いているのは確かに強みですが、逆にいえばベクトルが合っていないというのも事実なのです」

■共通の価値観、メタイズム

共通の価値観をもち、ベクトル合わせをするために設定されたのが、「変革(かわる)」「挑戦(いどむ)」「多様性(みとめあう)」という3つの価値観で、これらは同社を形づくる根幹として「メタイズム」と名づけられた。

「プラントビジネスを手掛けている限り、一人ひとりがまずプロフェッショナルになる必要があるのは、当然のことです。その一方で、これだけ市場環境が変わっている中で、変革や挑戦、多様性ということにきちんと対応していかないと、市場に取り残されてしまうのは間違いありません」

■変えてよいもの、いけないもの

「不易流行という言葉があります。メタイズムで変革や挑戦を進めるうえで、変えてよいものと変えてはいけないもの、これらを明確にしておくことが肝要です。まず変えてはいけないものは、『基本』です。当社ではこれを『は(わ)・に・の・感動』活動と呼んで、定着を図っています」

この活動は、「お客様“は(わ)”誰ですか?」「お客様“に”どんな商品・サービスを提供しますか?」「お客様“の”満足は何ですか?」「そして、お客様が“感動”してくれるにはどんな事をすればいいのですか?」という4項目を常に意識しようというもの。

「基本に立ち返るということを、ただ厳しく言うのではなく、少し楽しみながら、遊びも入れながら浸透させていこうと進めています」

一方、変えてよいものは何かというと、それは「自分で決めている限界」だという。同社では、「自信をもって、限界と思っているモノを超える~ Beyond Borders! BreakBox!」というスローガンを掲げ、名札に記載するなどして浸透を図っている。

「一人ひとりが『自分ができるのはここまでだ』という箱を作ってしまっていては、これからいろいろなことを変えていくのは不可能です。乗り越える力、打破する力、自信をもって過去の慣習を壊していこうとする力が、これからの我々に求められる力なのだと思います」

教育の変革、「人材の見える化」

「変革」「挑戦」「多様性」というメタイズムの価値観は、同社の教育の具体的な施策にも見てとれる。その例を、順に紹介しよう。

まず、同社が今、取り組んでいる一番の教育変革である、「人材の見える化」。

「これまでの教育は、例えば『この人にはそろそろこういう経験をさせたほうがいいかな、あの研修に出てもらおうかな』などという、上司や人事の経験と勘で、実にアナログ的に行われていました。しかし、今は中途採用者が多くなっているので、それでは回らなくなってきています。ある職種、ある事業本部の中に、どういう能力をもった人材が、どれだけ存在して、その人材がどのように配置されているかということを、明確にする必要が出てきています」

個人のスキルをヒューマン、コンセプチュアル、テクニカルの3つの領域でデータ化し、さらにその人が持っている行動特性(メンタルの強弱、瞬発力、けん引力など)を加味し、データベースとしてエリア別に配置する。これにより、地域のプロジェクトに効率的な人員配置ができるだけでなく、計画的な人材の育成にもつながる。

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