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月刊 人材教育 2016年09月号

組織と個人の問題に効く! 心理学ミニゼミナール 第12回(最終回) 社会的証明の原理

心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。
そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。

佐々木 正悟(ささき しょうご)氏 心理学ジャーナリスト
1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに勤務。2001年以降アヴィラ大学心理学科、ネバダ州立大学リノ校実験心理科博士課程で心理学を学び、2005年に帰国、現在に至る。近著は『すぐやる人に変わる 心理学フレームワーク』(実業之日本社)。

第12回(最終回)社会的証明の原理

多勢の動きが気になる

「我が社の90%の人は○○をしている」―このように言われると、人は「○○をするのが当然」という意見に一気に傾きます。これは「社会的証明の原理」と呼ばれるものです。社内や部内の意見を調整したい時に覚えておくと、役に立ちます。

例えば、オフィスを禁煙にしたい時。社内の大多数が「禁煙を実施したいと思っている」と言えれば、反対派にも意見を変えてもらいやすくなります。あるいは、「最近、○○関連企業の多数が禁煙を実施した結果、生産性が向上しているという報告がある」などと、統計的事実を紹介できれば、効果は絶大です。しかし、特にデータがなくても、十分効果を発揮します。

データや裏づけは関係ない

身近な例で考えてみましょう。

例えば最近、「小学校にも英語の授業が導入されたため、1年生の頃から英語塾に通う子どもが増えている」という“情報”を基に、子どもを英語塾に通わせたり、子どもを説得するという人が少なくないようです※。

この時、重要なことは、本当に1 年生から英語塾に通わせている親が多くいるのか、あるいは実際に子どもがどのくらい説得されているか、といったことではありません。それらの「事実」が実際どうかということはもちろん大事なはずなのですが、ここでのポイントは、「1年生の頃から英語塾に通う子どもが増えている」と「信じる」こと。そのことによって親が自分や子どもを説得しやすくなる、ということです。

よくよく考えてみると、「増えている」のが事実であってもなくても、他の子どもと自分の子は違うのですから、これが英語塾に通わせる必然的な理由とはならないはずです。

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