J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年09月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第18回 副業を認める?認めない?

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。


藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第18回 副業を認める?認めない?

社交的で社外の活動にもアクティブな若手社員がいる。会社での業務とは別に、知人たちと新ビジネスの立ち上げなども始めたらしい。会社に迷惑をかけず、本人も楽しんでいるのであれば悪い話ではないと思うが、それなりにエネルギーも使うだろうから、本業に影響が出ないか心配だ。どうしたらいいだろうか?

副業のしやすい環境が整う

最近は、モバイルインターネット環境がよくなり、場所を問わずにできる仕事が増えました。職場という「場所」に縛られなくなり、以前より、副業にチャレンジしやすい環境になっているといえます。

また、会社側も、2枚目の名刺を持つことを認めるなど、営利・非営利を問わず、企業外での活動を推奨するような動きもあります。

つまり、世の中は副業容認の流れになっているといえます。しかし、まだ法的な整備が進んでいないため、それにはさまざまなリスクも考えられます。

副業禁止規定の有効範囲

副業には情報漏えい・利益相反・過重労働などのリスクがあるため、多くの企業の就業規則ではこれを禁止すると定めています。一般的な就業規則における副業禁止条項は、業務外のプライベートな時間の活動についての規定になります。

しかし、就業規則は職場での規律を維持するためのものですから、業務外の活動について厳しく制限することはできません。たとえ何らかの収益を得ていても、副業禁止規定を根拠として懲戒処分を行うことはできないのです。例えば、不動産を所有していて、そこから給与収入とは別に賃料収入を得ている従業員がいたとしても、副業禁止規定を根拠に社内処分をすることはできません。

例外的に注意や懲戒処分を行うことができるのは、副業で疲れて仕事中によく寝ている、副業が雇用先企業と競業になる、など職場での規律や職務の遂行に影響が出る場合に限られます。今回のケースのように、自社の業務と関係のないところで新ビジネスを始めたとしても、就業規則を根拠に副業を禁止することは難しいのです。

副業で考慮すべきリスク

従業員が業務外で活動して収益を得ることにより発生する使用者側のリスクには、利益相反・情報漏えいなどと共に、労働時間管理の問題があります。社員は、副業を始めた当初は、「会社に迷惑をかけない」と考えていても、のめり込んでしまうと限界が見えなくなるものです。また、時間の面も、本人任せではなかなかコントロールできないと考えたほうがいいでしょう。

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