J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年09月号

寺田佳子のまなまな 第9回 プロマラソンランナー 原田拓氏に聞く 「人生のフルマラソンの走り方」(前編)

プロマラソンランナーの原田拓さんは、ホノルルマラソン日本人1位などの輝かしい実績を活かし、そのノウハウを一般のランナーにも教えています。
原田さんのランニング理論を通じ、仕事や人生の「走り抜く戦略と技術」を、寺田さんが体を張って学びます!

寺田佳子(てらだよしこ)氏
ジェイ・キャスト常務執行役員、IDコンサルティング代表取締役、日本イーラーニングコンソーシアム理事、IT人材育成事業者協議会理事、熊本大学大学院教授システム学専攻講師、日本大学生産工学部非常勤講師、ATD(タレント開発協会)会員。著書に『学ぶ気・やる気を育てる技術』(JMAM)など。https://www.facebook.com/YoshikoTeradaBook

原田 拓(はらだたく)氏
1984 年生まれ。
ランニングスクール FROG代表。
国士舘大学卒。ハーフマラソン公式タイムは64 分19秒。箱根駅伝は2度出場、実業団時代は米国の名物ロードレース・ボルダーボルダーで日本代表に。
2012 年、2014 年のホノルルマラソンでは日本人1 位。
指導者、講師、ゲストランナーなど、マラソンの分野で幅広く活動。

[写真]=上野英和

「私にも、できますか?」

マラソン……。

それは、私の日常と最も遠いところにあるスポーツであった。

あくまで「見るもの」であって、「するもの」ではなかった。

人生で一番体力があったと思われる高校時代ですら、「長距離走」と聞くと、どうやってサボろうかと、必死に考えたものだった。

その私が、とある土曜日の朝6時、いつもなら間違いなく爆睡している時間に、買ったばかりのランニングシューズを履いて、鏡に映った自分の姿にニンマリしているのである。

いったい、どうしちゃったのか!?

この異変は、さかのぼること1カ月前の、プロマラソンランナーTakuこと、原田拓さんとのランチタイムトークがきっかけだった。

箱根駅伝、ニューイヤー駅伝で活躍し、ホノルルマラソンでも日本人1位になったトップランナー原田さんは、名古屋を拠点に、多くの市民マラソンランナーを育てる人気トレーナーでもある。

その彼が、私のようなランニング初心者を「その気」にさせて、数カ月で42.195kmを完走できるようにする―と言うのだ。

いったいどんな技を使えばそんなことができるのか。

ぜひ彼の育成の秘密が知りたい、と思ったのである。もちろん話を聞くだけ、のつもりだったのだが、

「体育の授業でランニングしていた人たちも、高校を卒業して20 年くらい経つと、もしかしてずっと走っていないかも? 走れなくなっているかも? まずいかも! と気づくんですよ」と言われてドキッとし、

「でも大人になると、自分にできそうなことにしか挑戦しなくなっちゃうんですよね」

という言葉にハッとし、

「絶対ムリと思い込んでいたフルマラソンを完走することで、不可能と思い込んでいたことに挑戦する力が身につくんです」と微笑まれて、思わず、

「私にも、できますか?」と身を乗り出してしまったのである。

「できます!」と大きく頷いた原田さん、こちらの不安を察してか、

「長距離走は体力勝負と思っている人が多いのですが、実は戦略と技術がカギなんです」

「歩くよりもちゃんと走るほうが、体への負担は少ないんですよ」

「キツいことはひとまず横に置いて、おしゃれなウエアを着たいとか、自分なりの走る楽しさを見つけることができれば、それでいいんです」と、さりげなくフォローする。

ということは、ランナーみたいなカッコをするだけでもOK ってこと? それなら私にもできるじゃない!

自分を変える力を育てる

というわけで、足取り軽くやってきた名古屋市郊外の星が丘テラス。なだらかな丘陵地におしゃれなショップやレストランが並ぶここで、毎週土曜日朝7時から「朝活ランニングスクール」が開催される。運動不足を解消したい人から、フルマラソンの自己ベストを更新したい人まで、多様な目的、多様なレベル、多様な年代の参加者たちが集まってくる。

爽やかな朝の空気の中、いち早く現れたのは「朝活サポーターズ」だ。スクールの先輩たちが、ボランティアで運営サポートをしているのである。

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