J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2016年05月号

人事の職場拝見! 第63回 日本郵便 顧客満足の始まりは従業員満足 笑顔を生む管理者育成と女性活躍

国内全ての市町村にある郵便局の運営をはじめ、郵政事業を軸に地域貢献を担う日本郵便。
民営化から9年目を迎えた同社が注力する、人材育成施策とは。

そばにいるから、できることがある。
日本郵便
■会社データ
設立:2007年
従業員数:20万516名(2015年9月30日現在)
事業内容:郵便業務、銀行窓口業務、保険窓口業務など
■部門データ
人事部
人材研修育成室:38名
女性活躍室:7名
職務内容:人材育成施策の企画・運営及び採用/女性活躍推進施策の企画・運営

取材・文・写真/田邉泰子

地域の信頼に育成は不可欠

国内の郵政事業を手がけ、各地の郵便局を運営する日本郵便。パート・アルバイトも含めるとスタッフの数は約40 万人、管理者も3 万人に上る、超マンモス企業だ。

民営化からもうすぐ10 年、その間グループの再編成などの紆余曲折を経て、今改めて「企業は人なり」と話すのは、人事部人材研修育成室室長の吉澤尚美氏である。

「民営化はしましたが、郵便、貯金、保険というユニバーサルサービスを担う郵便局は地域のお客様に愛されるべき存在といえます。それには、社員育成の充実が欠かせません」

手づくりのマネジメント誌

育成施策で重点を置くのが、サービス業としての意識改革と、管理者層のマネジメント力強化だ。

「企業として存続する以上、収益は当然意識します。しかし、それは闇雲に数字を追うものではなく、お客様が満足するサービスを提供し、信頼を得た先に達成できるものだと考えています。そのキーパーソンとなるのが管理者たち。なぜなら、部下のやる気を引き出すことが、生産性向上に直接つながるからです」(吉澤氏)

とはいえ、同社は全国に2 万4000を超える郵便局を構える。地域特性を踏まえた運営が求められ、画一的なマネジメントでは限界がある。そこで人材研修育成室は自ら各地の郵便局に取材を敢行し、「一人ひとりを大切にするマネジメント」がテーマのマネジメント誌を制作した。管理者に必要な心構えをはじめ、社員のモチベーションアップにつながる声掛けの例など、優良局の事例を取り上げながら詳細に解説する。構成から執筆、レイアウトに至るまで、全て自分たちの手で進めた。

「業績の良い局は、社員が生き生きしています。私たちが幸せに働き、成長を実感できて、初めてお客様を幸せにできるのではないでしょうか」(吉澤氏)

ESとCSは、表裏一体の関係にあるということだ。

引き馬でリーダーシップ診断

また同社では、2014 年に女性活躍室を立ち上げた。女性社員の能力を十分に発揮できる組織の実現と、女性ならではの視点を商品やサービスに生かすことを目的としている。

人事部女性活躍室室長の一木美穂氏は「今は、管理者と新入社員研修に力を入れています」と話す。昨年7月には、女性管理者を対象に、自分と向き合い課題に気づくセミナーを山梨の八ヶ岳で開催した。

「彼女たちが快活に仕事をこなす姿はロールモデルとなり、若手社員のやる気を引き出すことにもつながります。いつもと違う環境の下で、多彩な体験型プログラムを用意しました」(一木氏)

内容も通常の研修とはひと味違う。特筆すべきは乗馬クラブで引き馬を体験し、自身のリーダーシップを検証するというものだ。

「馬は指示者がどういう人間かを察する力を持っており、人によって態度を変えますし、明確に指示をしないと動きません。リーダーシップの在り方が如実に出るのです。トレーナーが参加者の引き馬の様子を観察し、指示の仕方や態度についてアドバイスするのですが、『指示が曖昧』『叱る時は毅然とした態度で』などと指摘されると、皆さんの日頃のマネジメントにも思い当たるところがあるようで、とても好評でした」(一木氏)

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