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月刊 人材教育 2016年05月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第14回 社内恋愛はトラブルのもと?

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000 年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03 年に独立、04 年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第14 回 社内恋愛はトラブルのもと?

当社には若い男女が多く、比較的恋愛には自由なスタンスを取っている。会社で若い人たちに出会いがあるのは悪いことではないと思うし、結婚するカップルが出れば会社としては喜ばしいが、不倫やセクハラにつながるケースもあるようだ。社内や仕事上の人間関係における恋愛はどこまで許容されるものだろうか。

社内恋愛は禁止できない

まず前提として、会社は、従業員の業務時間外の行動や思想信条について立ち入ることができません。ですから、社員や業務を通じて知り合った人同士が、業務時間外で恋愛関係になるのを禁止することはできません。仮に不倫だとしても、会社がその関係を止めさせたり、評価に反映したりすることはできないのです。

そのため、本人同士の合意に基づく恋愛については、会社として特に関知しないという例がよく見受けられます。しかし、当事者の自己責任の範囲として、会社は全て放置しても構わないのかというと、必ずしもそうとは言えません。なぜなら、次に説明するような、一定のリスクもあるからです。

セクハラにつながりがち

社内恋愛は、セクハラにつながることがあります。実際のところ、今日見受けられるセクハラは、相手が自分に対して好意があると勘違いして起こるケースが多いのです。「あいつ、おれに気があるんじゃないか」と思い、職場の飲み会の際にスキンシップをとろうとしたり、しつこくデートに誘ったりする例です。そうしてアプローチをしたにも関わらず断られた場合、その腹いせに言ってしまった捨てゼリフが、セクハラ問題になる例もあります。

また、合意のうえで恋愛関係になっているカップルでも、別れるとセクハラ問題が起こることがあります。例えば、別れた後も一方がまだ恋愛感情を持っている場合、付き合っていた時期と同じようなアプローチを続けると、それが職場のセクハラとして捉えられてしまうのです。

刑事問題になるケースも

恋愛だと思って肉体関係を持ったところ、一方が強制わいせつだと訴えて刑事問題になるケースも後を絶ちません。そもそも恋愛関係は複雑ですから、両者が完全に合意しているとは言えない期間もあります。上司や取引先との男女の関係であれば、仮に多少の恋愛感情が存在していたとしても、半ば強制的だと捉えられるケースも少なくありません。

また、不倫の場合は、被害者側がセクハラだと訴え出ると、加害者とその配偶者が名誉毀損だと訴え返す泥沼の事態に陥ることもあります。

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