J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年08月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第5回 部門横断プロジェクトの時間管理と評価

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

藤原 英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。
[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉あきこ

第5回 部門横断プロジェクトの時間管理と評価

当社では、新規事業開発などで部門横断型のプロジェクトが組織されることがある。いくつかの課からイキのいい若手を集めて進められるもので、今回、自分がそのプロジェクトマネジャーに任命された。やりがいのあるプロジェクトなので、いい仕事をして成果を出したいが、自分自身もプロジェクトメンバーも所属部課の業務があり、時間の使い方や評価の仕方などいろいろと難しいことがあるらしい。どう進めていけばいいだろうか。

プロジェクト運営上の問題点は

所属部課、いわゆるラインのメンバーだけでは難しい仕事がある時に、部門を横断してメンバーを集めたプロジェクトが組織されることがあります。参加メンバーが持つそれぞれのラインの専門知識を組み合わせることで、これまでにない発想が生まれるほか、部門間の連携促進やメンバーの育成にもつながるため、部門横断型のプロジェクトを盛んに活用している組織も多いと思います。

ただし一方で、任命されたメンバーたちは通常の指揮命令系統から離れて仕事をするため、プロジェクトの人事的なマネジメントは難しくなります。

では、部門横断型プロジェクトを社労士の視点から見た時の問題点はどこにあるのでしょうか。「稼働時間の管理」と「人事評価」という2つの面から見ていきましょう。

稼働時間と評価が困難

通常、ライン業務に加えてプロジェクト業務を行わせる場合には、ライン業務:70%・プロジェクト業務:30%といったように、稼働時間の振り分けを行います。しかし、ライン長とプロジェクトマネジャーという2人の上司が別々に指示をするわけですから、稼働時間の管理は難しくなります。

稼働時間の振り分けがうまくいかない場合、ライン業務も抱えつつ、プロジェクトもこなすという、単純に2倍働くような状況になってしまう例も少なくありません。

評価についても同じように難しくなります。理屈では、ラインとプロジェクト双方に目標を設定し、その達成度に合わせて各業務の評価をしていく。70%:30%などのように、あらかじめ定めた比率で評価を配分すればわかりやすいのですが、計算通りにはなかなかいかないものです。

しかし、評価とメンバーのモチベーションは連動しますから、いったん不公正だと思われてしまうと、結果としてプロジェクト自体もうまくいかなくなってしまいます。

こういう場合、ラインとプロジェクトのマネジャー同士が理解し合い、連携するべきだという議論になりがちですが、それも限界があるでしょう。「全社のことを考えて前向きに連携せよ」という建前があっても、現実にはメンバーの稼働時間の奪い合いになるなど、摩擦が生じます。

また、プロジェクトマネジャーは、メンバーの全ての部門長と調整しなければならなくなるので、結果的にコミュニケーションコストが高くなってしまいます。

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