J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年07月号

負けないマネジャーのための孫子 第10回 継続・撤退の決断の重要性

誰しも、成功や勝ちにはこだわるもの。
とはいえ、成功や勝ちに固執するあまりに、活動を長引かせれば、かえって成功は遠ざかります。

青柳 浩明(あおやぎ ひろあき)氏
ビジネス論語スクール主宰。幼少から40 年にわたり、「論語」「孫子」等の漢籍を学び、ビジネス現場でSE、PM、経営企画等の実践を積む。中国古典の伝播活動
として企業団体等で精力的に講義・講演活動中。著書に『論語説法』(講談社)他。
aoyagi@rongo-school.com

人によって異なる熱意

「勝利」とは、ビジネスに置き換えれば、戦略やプロジェクトなどで成功を収めること。組織のリーダーは強い熱意を持って勝とうとするでしょう。

その際、リーダーには強烈なプレッシャーがかかりますが、成功によって得られる果実(達成感、高評価、報酬、名誉等)が、持続的な熱意の源泉になります。第6回で紹介した「将に五ご危きあり」のように、行き過ぎることへの戒めの教えがあるほど、リーダーは熱意を感じ、持ち続けられるものです。

ですから、メンバーもリーダーと同じ思いで取り組んでくれたらどれだけ業績が上がることでしょうか。しかしそれは多くの場合、困難です。

というのもメンバーは、人にもよりますが、自分が担当する仕事に対しては責任を感じても、部門やプロジェクト全体に対する責任まで感じないことが多いのではないでしょうか。そして、仕事が成功裏に終わることを望みますが、なかなか成功に結びつかない場合、長引くことは嫌悪するものです。

そうした状態では、メンバーの協力や、やる気の高い状態を維持するのは難しくなります。

継続か撤退か

そこで今月の教えは、「継続か撤退かの判断を適切・妥当に行うことの大切さ」についてです。

『孫子』の同義の教えに、「兵は拙せっ速そくなるを聞くも、未だ巧久なるを睹み ざるなり。」(作戦一)とあります。ビジネス訳をすれば、「稚拙でも素早く切り上げるという方針はメンバーに有効でも、上手に長引かせるという方針は有効ではない」となります。

当初の計画を逸脱してずるずると継続したうえで勝利した戦など、歴史上お目にかかったことはない、と説いているのです。

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