J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年07月号

おわりに “海外研修” で促せるもの

まず本特集のテーマを振り返ろう。それは新人・若手のうちから“グローバルに活躍できる人材”として育ってもらうために、

① どんな能力やスキルを

② どのように身につけてもらうか

③ 育成方法の勘所や注意点とは

というものである。

結局、“グローバル”は特別?

は、グローバル人材の要件と同義だ。「グローバル人材とは特別な能力を持つ人か否か」という論争が巷でよく起きている。今回の特集でも各々の見解が出たが、「“グローバル環境でも業務が遂行できる能力”が必要であり、人材要件は変わらない。変わるのは“積極性”や、“困難を乗り越える力”のレベルの高さ」だというのが共通見解のように見える。

なかでも、「コミュニケーションのレベルが異なる」と語ったのはOPINION 1ブライアン・シャーマン氏(グローバル組織人事コンサルタント、24ページ)だ。グローバル環境では、“暗黙の了解”は通じない。相手の話が理解できなければ、話を中断させ、わかるように説明してもらうといったことまで求められるという。

また、どんな能力を伸ばすべきかは「人それぞれに違う」とCASE1 ブラザー工業人事部の岡田英嗣氏(40ページ)。成長度合いも強みも仕事も異なるのだから、人によって違って当然という意味だ。

では、よく言われる“グローバル感覚”は必要ないのか。これが、「多様な他者」 (COLUMN1 船川淳志氏、36ページ)や、他国の文化・状況について知る、という意味であれば必要なはずだ。日本社会は他国に比べれば明らかに同質的だからである。

学びの発生源は人それぞれ

グローバルでも業務を遂行できる能力やグローバル感覚を②どのように身につけてもらうかだが、今回取材した3社は概ね、海外拠点にプログラムの詳細は任せつつ、現地・現場・現物を見て触れる機会を与えていた。ブラザー工業、横浜ゴム(44ページ)の事例は主に新入社員対象の研修、日本通運(50 ページ)は入社4年目以上の若手社員を対象とした研修事例である(61ページ図も参照)。

体験者はそれぞれ、どんなことからどんな学びを得たのか。

ブラザー工業の研修体験者、林雅洋氏は、中国の工場ラインを観察したことで、「設計部門は工場作業員が強い力を入れ続けるような設計をしてはいけない」といった、今後の自身の仕事に大きな影響を及ぼす気づきを得ていた。横浜ゴムの和田憲明氏、宮下雄氏はそれぞれ、タイとフィリピンの拠点で2カ月半、事前に自ら設定した課題に取り組んだ。意思疎通が困難な状況から、現地の人に心を開いてもらう方法や、曖昧な点を残さないための工夫を行っていた。

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