J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年07月号

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第28回 知っておきたい「土俵替え」という考え方

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

菊池 健司(きくち けんじ)氏
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL: http://mdb.jmar.co.jp/)。人事・研修関連セクションでは社員選抜研修の一環でMDBを利用する傾向が増加中。顧客とのコミュニケーションにおいては豊富な知識が欠かせず、読書を通じてさまざまな分野の情報を貪欲に収集している。モットーは、「1日1冊」「週末精読」。
E-mail:Kenji_Kikuchi@jmar.co.jp

本連載第26回において、ビジネスコミックに今後も注視していくべきと紹介した。出版業界において、実は 「漫画」が市場を牽引していることは衆目の一致するところであろう。700ページを超える、しかも高額本としては異例のベストセラーとなった『 21世紀の資本』( トマ・ピケティ著、みすず書房)の解説コミックも、2015年3月後半頃から多く見受けられるようになってきた。ビジネスコミックが発刊されるということは、原作本が注目されていることに他ならない。これからも併せて見ていくことをお勧めしておく。

さて、今回のテーマは「土俵替え」である。ここでいう「土俵替え」とは、ビジネスシーンにおいて、戦う場所を変えて成功をめざす戦略を指す。あえてライバルとは「違う土俵」で戦う―という考え方である。

前述のビジネスコミックもある意味、土俵替えである。分厚いハードカバーの一見手に取りにくい書籍が、コミックという土俵で展開されることにより、一気に認知されるようになる。さらに、コミックで刺激を受けた読者が原作読みにチャレンジするという相乗効果が起こる。コンテンツによっては、映画やTVドラマ、あるいはゲームになったりと、その市場がより大きく広がっていく……。

よく観察してみると、競合先に先んじて「土俵替え」をしているライバル企業は多いのではないか。ライバル企業の中期経営計画や投資家向け説明会等の資料を一度じっくり眺めてみてほしい。

これまでの本業とは違うビジネスの比率を上昇させたり、異なる分野での成長をめざしたり、時には業態そのものを転換させつつある企業を見つけることができるはずだ。

2013年頃から「次の事業の柱」を構築しようと各企業が躍起になっているが、新たな事業を検討する際に、大抵の場合は「土俵替え」での勝負が検討されている。これまで実績を残してきた製品、サービス、技術を別の市場に投入することで、新たな事業の柱を築く。理にかなった戦略である。「土俵替え」を学ぶことは、もはやビジネスパーソンにとって必須であると断言しておく。

土俵替えについて、学べる書籍は大きく以下に大別される。

①経験豊富なビジネススクール教授陣による事例解説

②海外事例研究本

③中堅企業やベンチャー企業の研究本

①については、早稲田大学ビジネススクールの内田和成教授、山田英夫教授の著書は必読である。②では、特に欧米企業の新たなビジネス事例に注視しておきたい。本連載でも折に触れて紹介していく予定である。③は、特に業界中堅企業の戦略や起業家本から多くの参考事例が学べる。

次号は、少し趣向を変えて、日本の大学と人材供給の課題について取り上げる予定だ。乞うご期待。

1『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』 内田和成編著/日本経済新聞出版社/1600円+税/2015年1月

ライバルと違う土俵で戦う考え方について、豊富な事例を交えて解説している。「ゲーム・チェンジャー」は今後の時代のキーワードであろう。内田和成氏の書籍はどれもお薦めだが、本書も必読。

2『マーケット感覚を身につけよう』 ちきりん著/ダイヤモンド社/1500円+税/ 2015年2月

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