J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年04月号

人事の職場拝見! 第51回 すかいらーく グループ共通の育成プログラム構築中 「人の充実」が会社の成長を促す

ガストやバーミヤンなど10 ブランドのレストラン事業を展開し、全国約3000 店舗を運営する、すかいらーくグループ。全ブランド共通の育成プログラムの開発で重視するのは、日々の小さな成長やお客さまの笑顔を糧に、一人ひとりが自ら学ぶ仕組みづくりだ。


すべてはお客様の笑顔のために
すかいらーく
■会社データ
設立:1962年 
従業員数(グループ全体):正社員5625名/クルー 90798名(2014年12月末現在)
事業内容:フードサービス等
■部門データ
ラーニング&ディベロップメントグループ 育成企画チーム:4名
職務内容:人財育成企画、育成プログラム開発、研修企画

取材・文・写真/髙橋真弓

クルーから社員まで一貫教育

すかいらーくグループは2014年の再上場を機に、効率性・生産性向上のため、全ブランド統一による戦略へと転換を図ってきた。現在、取り組んでいる新人事制度の構築と、全ブランド共通の育成プログラムの開発もその“戦略”の柱である。

人財本部 ラーニング&ディベロップメントグループ 育成企画チーム リーダーの織部始氏は、「食材の仕入れや生産工場などの効率化も重要ですが、何より人が充実しなければ、会社は成長しません」と話す。

注力しているのが、お客さまに最も近い店舗従業員の教育。クルー(アルバイト・パート)から社員(マネジャー・エリアマネジャー)まで一気通貫した教育体制を構築中だ。

その要は、開発中の7つの階層別ガイドブック。役割ごとに学ぶべきことや基準を明確化した教本だが、「読んで終わり」ではない。まず知識をインプットしたら、記入式のQ&Aで確認。解答に対し、上長からフィードバックをもらう。さらに現場で実践し、課題をクリアすると、上長から承認を得られる。そしてまた次の課題に取り組む。この繰り返しを支える“体感型”の冊子である。

育成企画チームの甲斐巡氏は、「日々の小さな成長をしっかり認め、ほめてあげることがカギ。そして、ただ作業の仕方を教えるのではなく、“なぜその作業が必要なのか”を教えることが大切です」と話す。

ウェルカムプログラムとは

ガイドブックの開発に先駆け、2012年に導入したのが、入社直後のクルーの緊張やストレスを軽減する“ウェルカムプログラム”だ。

同社が調べたところ、入社初期で辞めてしまう理由の上位は“孤独感”と“不安感”だった。そこで、入社後3日間、マネジャーと入社したてのクルーが1対1で話せる時間を設けたのである。

「じっくり話をすると、同じ学校のクルーがいたり、同じ趣味を持つ仲間がいることがわかり、周囲とつながるきっかけが見つかります。また、できないことを叱って育てるのではなく、まずはしっかりと教え、できたら “頑張りましたね”と認める。そうすることで、“ここにいていいんだ”という安心感が生まれるのです」

そしてもうひとつ、新人クルーの育成に効果を発揮しているツールが、「ケーススタディ(CS)カード」だ。「盲導犬を連れたお客さまが来店。どのようにご案内しますか」などの設問が書かれ、指導者が客役となり即興劇を演じる。この時、「こう対応しなさい」とは教えず、クルー自身に考えさせ、疑似体験させるのがポイントだ。常に「お客さまの笑顔のために取るべきベストな行動」を考え、とっさの判断や機転が利くようになるという。「自分の接客でお客さまが笑顔になる→喜ばれて自分も嬉しい→もっとやってみよう」。これを“ハッピーサイクル”と呼び、“自ら育つ”土台となっている。

従業員が幸せを感じる企業に

甲斐氏は、「クルーが店を卒業する時に、“すかいらーくで働くことができて本当によかった。いろいろなことが学べた”という気持ちになれる会社なら、お客さまに対してもきっと質の高いサービスが提供できている」と話す。

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