J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2015年04月号

ID designer Yoshikoが行く 第94回 叱られたい若手を、怖がらずに愛を持って叱る技術

寺田 佳子(てらだ よしこ)氏
ジェイ・キャスト執行役員、IDコンサルティング代表取締役、日本イーラーニングコンソーシアム理事、IT人材育成事業者協議会理事、eLP(eラーニングプロフェッショナル)研修委員会委員長、熊本大学大学院教授システム学講師、JICA‒NET ID Seminar講師、ASTD(米国人材開発機構)会員。著書に『学ぶ気・やる気を育てる技術』(日本能率協会マネジメントセンター)など
http://yoshiko.teradalive.net

最近、叱られたい若者が増えているらしい。ある人材アウトソーシング会社の調査によれば、入社3年目までの社会人のなんと78.5%、つまり新人の5人のうち4人が、「正当な理由があれば上司に叱られたい」そうだ。

「空気を読む」のが得意な「さとり世代」のことだから、職場でも叱られないようにそつなくこなしたいのかと思えば、実は「叱られてスッキリしたい症候群」がはびこっているのだという。

そんな若手部下に対する上司の反応は、SNSの影響なのか、「いいね!」か、「(当たり障りのない)コメント」か、「(とりあえずみんなで)シェア」の3択が主流。「ダメじゃないかっ!」「何を考えているっ!」など、熱い「喝っ!」を入れるような上司は、今や生きた化石と言われる時代かもしれない。

「あぁ叱られたいのに、どうしてちゃんと叱ってくれないの?」

こんな新人たちの期待に応えて心おきなく叱ってみては、と思うのだが、皮肉なことに上司のほうには、「できることなら叱りたくない症候群」が蔓延している。

聴けばもっともな言い分がある。

パワハラと思われるかもしれない、厳しい言葉に傷ついてひきこもり状態になられては困る、職場の雰囲気が悪くなるかもしれない……と心配の種はつきない。なんといっても、「部下に嫌われたくない」「いい上司と評価されたい」という想いが強い。だからつい、「(まぁ)いいね!」になってしまうのである。

厳しさの裏に愛情あり

そこで、「叱られたい」想いを抱いて悶々とする若者が夢中なのが、スマホ対応の「叱ってくれる」アプリだそうな。

某一流企業に勤務する設定のイケメン部長が、2時間おきにビシバシお説教をしてくれる(画面に文字表示される)というシンプルなものだが、1万以上のダウンロード数を誇る人気アプリだ。ちょっと覗いて見ると……

「雑用すらスムーズにこなせない奴に大きな仕事など任せられるか」「時間がない? そんなものは言い訳にすぎん。ないという前に時間をつくる努力をしろ」「言い訳はいい。結果を出せ」

と、なんとも懐かしく痛快なお叱りの連発である。

ストレートに痛いところを指摘される快感もさることながら、グッとくるのが、部長の顔部分をタップすると現れる、部長のホンネ。

(少し厳しく言い過ぎたか……)(あいつなら乗り越えられる)(人はいいんだがな、いや、人がいいから貧乏くじを引いてしまうのか)

「そうなのね、厳しいこと言っていても、心の中では私を見守り応援してくれているのね……」

と、お叱りの陰に隠れる愛情に、胸がキュンキュンするらしい。

ツボを押さえた「喝」

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