J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2011年01月号

TOPIC 「2010第一線監督者の集い:全国大会」レポート 日本のモノづくりを牽引する“現場の経営者”たち

製造業の現場リーダーたちが集う全国イベント「2010第一線監督者の集い:全国大会」(日本能率協会主催)が10月21日に横浜で開かれた。東北・関東・名古屋・関西・九州の地区大会で代表に選ばれた10人の優秀事例発表者が、多くの聴衆を前に職場での取り組み事例を発表した。同大会の模様とともに、モノづくりの現場が迎えている環境変化、これからの現場リーダーに求められるマネジメントスキルについてレポートする。

取材・文・写真/伊田 欣司

第一線監督者を巡る現場の環境変化

製造現場を取り巻く環境は、劇的に変化している。製造の分社化やアウトソーシングの進展、生産拠点の海外シフト、技術革新による自動化、派遣従業員や外国人労働者の増加――次々と新しい局面を迎え、現場の担い手である第一線監督者の力量がますます問われる時代になった。

第一線監督者は、一般に作業者出身で係長、工長、主任、職長、作業長、ラインリーダーなどの肩書で呼ばれ、目標(QCDSE)達成のために現場の管理監督とメンバー指導を務める立場。特に昨今は、職場の活性化や人材教育まで高いマネジメントスキルが求められ、いわば“現場の経営者”と呼ぶべき存在である。「第一線監督者の集い」は1982年に、当時、豊田紡織相談役だった故・大野耐一氏を迎え、各社が改善活動を事例発表する場として名古屋でスタートした。最適なモノづくりをめざす取り組みを発表し合うことで、第一線監督者の役割と改善活動の必要性を再認識し、改善技術の維持・伝承・向上を図ることが狙いである。

現在は、全国6大会で総参加者数が1000人を超える大会に発展し、毎年10月に開催される全国大会で、各地区の代表から最優秀事例発表者が1名選ばれる。このグランプリには、トヨタ生産方式を確立し、我が国モノづくりの礎を築いた大野耐一氏の名を冠した「大野耐一特別賞」が授与される。

国内工場の技術力を牽引すべき第一線監督者

同大会のコーディネーターであり、講評役を務めるMISアソシエイツ代表の伊藤育徳氏は、第一線監督者が置かれている現状を次のように語る。

「第一線監督者は、今、変革の時期を迎えています。ここ10年、日本のモノづくりは高付加価値をめざせといわれてきた一方で、グローバル市場のボリュームゾーンは、年間可処分所得が5000ドルから3万5000ドルの世帯になっています。この層には、高い技術の製品はそもそも需要がなく、その市場に製品を供給するには、コストを極限まで圧縮し、低価格でも利益を生むという生産体制が求められます。

さらに、2005年から2008年に工場の国内回帰が起きたものの、現在は円高から再び海外シフトに動き出しています。私は近い将来また国内回帰が起こると予想しますが、それまで国内の製造現場を高いレベルで維持しておく必要がある。そのような厳しい状況で、現場を牽引しているのが第一線監督者たちです」

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