J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2010年11月号

How should we think? 階層別に求められる考える力

私たちは一見、24時間365日考えて暮らしているように見えるが、その実、真に考えているとはいえないことが多いのではないだろうか。
だが、訓練次第で、より深く、より広く、より的確に考えることが可能になる。それは新しい知覚の地平、いわば“新しい世界”を手に入れることに他ならない。それではここで、考える力を強化する方法を考えていこう。

「考える」ことの4つの機能

まず「考える」という行為を機能によって整理してみよう。すると「分析的に考える」「情緒的に考える」「文脈・歴史的に考える」「クリエイティブに考える」という、4つの機能に分類できるのではないか。

「分析的に考える」ことは、仕事の基本だ。問題解決などの場面ではもちろん、お客様に接する時やミーティングの際などにも、ビジネスパーソンは常に分析的に考えなければならない。

「情緒的に考える」ことは、特に人とのコミュニケーションにおいて忘れてはならない。この要素を落とすと、相手の共感や納得を得ることはできないからだ。

「文脈・歴史的に考える」とは、物事が現在の形に至った経緯を踏まえることである。特に階層が上がり、大きな決断を担う立場になると、文脈や歴史を押さえる重要性が増す。

「クリエイティブに考える」ことは、クリエイターはもちろん、実はあらゆるビジネスパーソンに求められる。プロジェクトや改善活動などでは、常にクリエイティビティが求められるからだ。

この4つの機能は、仕事や場面によって使い分けたり、同時に発揮したりしている。したがって部下のいない社員から経営層まで、あらゆるビジネスパーソンは、これらすべての機能を強化していく必要があるといえる。

「曖昧さへの耐性」を高める若手時代

ではこの4つの機能を強化し、考える力を高めるためにはどうすればよいのだろうか。

まず新人から若手の時代には、考えることそのものについて、トレーニングを行いたい。

考えるために必要なのは、モチベーションと持続力である。考えるモチベーションの源泉は、現状への問題意識や「何とか成し遂げたい」といった達成意欲、責任・役割意識など。考えない人に「考えろ、考えろ」といくらいっても考えることができないが、その状態を変えるには、問題意識や役割意識などに訴える必要がある。

もう1つ重要なのが持続力だ。考えることに慣れていない人は、考え抜くことができない。これには2つの理由がある。1つは考えるエネルギーが続かないこと。2つめは、「わからないけれど考え続ける」という曖昧な状態に、長く耐えられない、「曖昧さへの耐性」がないということだ。

わからないということは不安定な状態であり、つらい。安定を欲し安易な結論をくだしがちだが、役職が上がり、仕事が高度化すればするほど、曖昧さへの耐性を高め、考え続ける時間を長くする必要がある。

考えることへのモチベーションと持続力を強化するには、単純だが、書きながら考えることを勧めたい。書くことで思考が整理され堂々巡りが減り、長く考えることができるようになるだろう。

マニュアルを壊し熟達者の罠を脱する中堅

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