J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2010年10月号

学校事例(書く) 佐賀県立唐津西高等学校 手帳に書くことで意識と生活態度が変わる

生活の乱れという手帳とは一見関係のないことが、唐津西高校に手帳が導入されたきっかけだ。毎日の時間割や課題、部活などの予定を手帳に書くことで、自分の時間や生活を意識するようになる。そして、それらを通じて生活態度が良くなり、遅刻や欠席も減ったという同校。書くことによって生徒が成長した、その取り組みを聞いた。

田中 幸樹氏
佐賀県立唐津西高等学校 教諭
江口 昌子氏
佐賀県立唐津西高等学校 教諭
佐賀県立唐津西高等学校
1907年町立唐津女学校設立。1956年、唐津西高等学校に改称。2007年、創立100周年を迎える。100年以上の伝統と歴史を継承し、教育目標は「21世紀を逞しく生き抜くとともに、郷土と自然を愛し、地域社会に貢献できる心情豊かな人間の育成」。そのために、「知・徳・体をバランスよく向上させることにより、高い人格の形成とこれからの社会の変化に対応できる資質の育成」をめざしている。
生徒数:634名
取材・文/赤堀 たか子、写真/乃万 肇

「手帳に予定を書き込むことで、自分の時間や生活を自分で管理できるようにさせたい」

佐賀県立唐津西高校では、2010年4月から、全校生徒(634名)にスケジュール帳を持たせ、これを使った生活管理を始めた。この活動を中心となって進めた同校進路指導担当の田中幸樹教諭は、その目的を冒頭のように語った。

そもそも唐津西高校がスケジュール帳を導入したきっかけは、生徒の生活の乱れだった。

「3年生の担任を何回か経験する中で、最近の生徒たちが以前より幼くなったと感じるようになりました。当校では、課題とその提出期限を3カ月分まとめてリストにし、生徒たちに配布しているのですが、最近、期限を守れない生徒が増え、同時に、遅刻や忘れ物なども目立つようになりました。このままでは問題だと思い、スケジュール帳を導入することにしたのです」(田中氏)

当初は、新1年生のみを対象にする予定だったが、新2、3年生の担任からも持たせたいという声があったため、全校で導入することにした。ただ、スケジュール帳をすでに持っている生徒もいたため、持っていない生徒だけ学校が選んだものを購入するようにした。

スケジュール帳の導入に当たっては、高校生用につくられ、時間割などを穴埋めしていくことのできる手帳など、さまざまなタイプの手帳を検討したという。その結果、1カ月と1週間ごとの予定表がそれぞれ見開きで載っている、大人向け仕様の手帳(P33写真)を選んだ。

その理由は、月単位のおおまかな予定と、日々の細かな予定の両方が管理でき、さらに週単位の予定表では、土日も平日と同じだけのスペースが設けてあったこと。休日に部活動などのイベントが多い高校生には、使いやすいからだ。また、1日の予定表には、朝8時から夜11時までの時刻表示があるので、学校だけでなく、家庭学習の計画も書き込めるのも利点だという。

「最初は書き込み式がいいかとも思いましたが、生徒たちは与えられることに慣れています。高校生からは自立的になって欲しいという想いも込めて、何を書くかお膳立てされていないシンプルな手帳にしました」(田中氏)

その想い通り、それぞれが個性あふれる手帳の使い方をしているといえるだろう(P33写真)。

1週間の生活を手帳を見て振り返る

スケジュール帳で管理するのは、時間割の変更や持ち物など、日々の生活と、3カ月ごとに出される各学科の課題の実施計画だ。

時間割や持ち物などは、ホームルームで、翌日の予定表に書き込むようにと伝えてある。毎日時間を決めて翌日の予定を書くことで、生活管理を習慣づけるためだ。

一方、科目ごとの課題は、その提出期限を月ごとの予定表に、行事やイベントの予定とともに書き込む。これにより、「週末には、部活の試合があるので、課題は金曜日までに終わらせておこうといった判断ができる」(田中氏)からだ。次に、週単位の予定表にその週取り組む課題を書き入れる。これについては、「この日にやる」と取り組む日を決めて1日単位で予定を書き入れる生徒もいれば、1週間分のリストを作り、週単位で管理している生徒もいる。

以上は、学校側が示したスケジュール帳の基本的な使い方だが、その週に心がけることや、1週間の行動を振り返った反省などを欄外に書き込むなど、自分で工夫して使っている生徒もいるという。

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