J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2011年12月号

人事の職場拝見! Vol.11 部門間の壁をつなぐ人財により “バリューチェーンイノベーター”へ変革する

エンジニアの派遣を主な事業とするVSN。同社には、実に2200名もの技術社員が所属する。客先で活躍するエンジニアは「全員VSNの正社員」というのが同社の大きな特徴だ。社員同士が離れた場所で働くという派遣業ならではの難題に挑みながら日夜、人づくりに力を入れる同社の人事を紹介する。

技術系人材サービス企業
VSN
■会社データ
設立:2004年
従業員数:2534名(2011年4月現在)
事業内容:IT・情報システム、メカトロニクス、エレクトロニクス、バイオ・ケミストリー分野におけるエンジニア派遣事業、開発請負 など
■部門データ
人事部人数:38名
職務内容:採用、人材育成 など
教育予算:2億5000万円(販管費の約9.5%)

トップが陣頭指揮を執る人財育成の現場

「技術だけではなく、技術プラスアルファの力を持った社員に育て上げたい……。要するに“技術力と人間力を兼ね備えたエンジニア”が、当社がめざしている人財です」自社の理想の人財像をそう説明するのが、代表取締役社長の川崎健一郎氏だ。川崎氏は、人事統括部長としてVSNの人財育成全体を取りまとめる立場でもある。トップ自らが人づくりの陣頭指揮を執るということから、同社の人財育成に対する並々ならぬ強い思いがうかがえる。「当社は技術者を派遣する企業ですが、今や単に技術力を持った人材を派遣するだけでは価値として認められない時代です。市場は、価値を提供できる人材を求めています。そうした人材が集う組織でありたい。その1つの答えとして挙がったのが、当社のビジョンに掲げている“バリューチェーンイノベーター”でした」このバリューチェーンイノベーターとは、同社が独自に編み出した会社としてあるべき姿を表す言葉だ。「何か事を運ぶ時に最終的にネックになるのが“人と人とのつながり”です。企業同士の取引きはもとより、同じ企業でも部門間でそうした軋轢が生じることがあります。内部の人間は気づかないことも多いのですが、第三者の立場で働く者はそうした問題を発見しやすいものです。単なる労働力の提供ではなく、人間力を発揮して、プロセスでの問題を発見し、解決(実行)まで行うのが、当社がめざすバリューチェーンイノベーターにおける人財。まさしく派遣業という持ち味を活かした価値として提供できるものだと確信しています」

社員の“あるべき姿”はボトムアップで決定

この“バリューチェーンイノベーター”は、実は同社の社員がつくりあげた造語だ。その背景を川崎氏は次のように話した。「2008年のリーマンショックに端を発した経済危機では、業界全体が大きな打撃を受けました。当社も例外ではなく、受注がぐっと減りました。しかし、発想を逆転させ、100年に一度の大不況の中でなぜ派遣先に残れた社員がいるかを考えた時、技術力だけではない価値を持っていることがわかったのです」同社では、現場から精鋭16名を召集し「VSNは何屋になるのか」を徹底議論。議論に費やした時間は実に88.5時間、8カ月に及んだという。「お客様の右腕となるためには、時に耳の痛いことをいい、目標達成に向けてお客様にコミットする必要がある。これこそ模範的なフォロワーシップではないでしょうか。顧客が手間取りがちな調整の部分を当社の社員が解決し、実行することができれば技術力以外の価値になる、というのが、社員が出した答えでした」

人財育成を標榜した企業理念を持つ企業として

「お客様がリーダーならば、我々はフォロワーです。フォロワーシップに必要なものは、コミットメントとクリティカルシンキングではないかと考え、研修を行っています」

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:934文字

/

全文:1,868文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!