J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2012年02月号

連載 人事の職場拝見! Vol.13 企業理念を伝承し体現する 価値を創造する人材を育成

「効きめを創り、効きめで奉仕」という理念のもと、1950 年の創業以来、独創的な医薬品の開発に努力を重ねてきた全薬工業。創業者の理念を大切にして事業を展開してきた同社では、人材育成においても理念を重視して人づくりを行ってきた。同社の人づくりを支えている理念とは何か。同社の総務人事部を訪ねた。

効きめを創り、効きめで奉仕
全薬工業
■会社データ
設立:1950年
従業員数:699名(2011年4月現在)
事業内容:医薬品、医薬部外品、機能性基礎化粧品、健康補助食品などの製造、販売。
■部門データ
総務人事部採用・研修チーム:5名
職務内容:採用、人材育成 など

“その分野の経営者たれ”

1950年の創業以来、医薬品、医薬部外品、機能性基礎化粧品などの製造、販売を手がける全薬工業。同社では、『模倣せず、一歩前進した医薬品を創生し、効きめを創り、効きめで奉仕する』という創業理念のもと、事業を通じて人々の健康づくりに貢献することを信念に事業を展開してきた。

歴史ある同社が、製品づくりと同様に、全力を尽くしてきたのが、企業理念を重視した人づくりだ。同社の人材育成を統括している総務本部取締役本部長 井口敬氏は、自社の人材育成論について次のように話す。「当社には、『企業人として自分の職務を通じて鍛錬を積むことにより、自らの人間性が磨かれる』という創業時から変わらない人材育成の考え方があります。仕事を通じて社会に貢献し、さらに社員一人ひとりが成長していく。当社の歴史はその繰り返しであったといっても過言ではありません」

同社では、そうした企業の歴史や理念を社員全員が共有したうえで自発的に行動していく人材を育成してきた。「トップの考え方や姿勢をしっかりと理解できていれば、企業の代表者と同じように仕事を進めることができるはずです。経験を積むことで、当社の事業を推進してくれる人材になることを理想としています」

徹底したOJT重視から新たなステージへ

「上司に指示をされたことを実行したり、マニュアルに書かれていることをそのまま行うのは、“処理”と同じ。本当の仕事とは、事業をつくる、価値を創造することにあります。社員にはそうした姿勢で仕事に臨んでほしいと考えています」

自分で考え、自分で仕事を創り、主体的に仕事ができる力を身につける。それが、同社が社員に求めている力といえる。

そうした人材を、これまで徹底したOJTで育成してきたが、2009年から社内の研修を体系立てたものに組み直し、階層別教育の強化に着手。

まずは課長層の社員に対し、勘と経験だけに頼らないマネジメントスキルを身につけることを目的とした研修を行った。現場でトップとして活躍している人材のレベルアップが組織全体の底上げには不可欠と考えたからだ。「企業に属しているとどうしても経営者視点が少なくなりがちです。しかし、課長クラスは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間のあらゆる資源を預けられている存在でもあります。自分で会社をいかにして動かすか、という経営的な視点を持つことが不可欠な存在ではないでしょうか」

創業者の理念を軸に人づくりを続けていく

「 ある時創業者が『御社は何をつくっている会社ですか』と問われ、『当社は人をつくっています』と答えたといわれています。創業以来、人を大切にしてきたことを物語るエピソードとして、今も語り継がれています」

同社では、一年の始まりに全社員が一堂に会する新年会を都内のホテルで行っている。社員をねぎらい、たたえることで、これから迎える一年に備えて心を一つにするひと時だ。「仕事には、自分の思いが吹き込まれていて、なおかつその思いが会社と同じ方向を向いている必要があります。主体性を重んじる当社だからこそ、一つの軸=創業者の理念が大切です。仕事を通して社員が成長し、自己実現できるよう、会社として人づくりに取り組んでいく考えです」

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