J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2012年02月号

グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第2回 教養の役立ち方、徹底検証

教養はビジネスにどう役立つか?――深掘りすると2つ見えてくる。1つは、グローバルビジネス推進のために必要な異文化理解。もう1つは、自分を確立し、柔軟で知性的な行動をとれるようになることである。

名藤 大樹(なとう・ひろき)氏
1998年、一橋大学商学部卒業。三和総合研究所(現 三菱UFJリサーチ&コンサルティング)入社。組織人事戦略の分野で民間企業、官公庁等に対するコンサルティング業務に従事。2006年一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース修了。

ビジネスへの役立ちは2つある

前回、グローバル人材の育成を考えるうえで歴史・宗教・哲学といった「教養」が大事であることを指摘しました。さらに、「教養」は仕事に役立つ、ということがあまりにも漠然と語られ過ぎているのではないか?

との問題提起をしました。今回はこの点について掘り下げます。

教養のビジネスへの「役立ち」は、大きく2つに分けることができます。1つは、「実務的にすぐに役立つ」というもの、もう1つは、「知性的心構えをつくる」というものです。「実務的に役立つ」ほうから説明します。

基本的なことですが、異文化をバックグラウンドに持つ方と話をしたり、ビジネスをしたりする際、相手の文化を理解する最低限の教養がなければ、基本的な信頼関係の形成や業務推進に支障をきたすことすらあるでしょう。特に、文化的なところからくる、禁忌や不浄の概念を理解することは、必須です。

マイナスを避けるだけではありません。ビジネスに必要な事柄を超えて、相手の国の歴史や宗教を勉強し、知ろうとする姿勢を持つことは、相手から親近感を持ってもらえることにつながります。

教養の効能は、こうした人間関係面にとどまりません。「今、表面に見えている現象」の裏にあるロジックを推測するために、教養が役立つ場面は多々あります。

たとえば、同じ中国の中でも親日度には地域差があります。その違いの背後にどのような歴史的経緯があるのか、知っている人と知らない人では現地でのビジネス推進の成果で差が出るでしょう。

教養の役立ち方のもう1つの側面は、教養はグローバル人材として必要な「知性的な心構えをつくる」ということです。これには2つの意味があります。

第一に、教養を学ぶことによって、日本人である自分自身の根底にあるものを知り、アイデンティティを確認することです。グローバリゼーションの進展は、アイデンティティの均質化を意味しません。むしろ、確固としたアイデンティティを表現・説明できる人が国際社会の中で信頼を勝ち得ます。

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