J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2012年07月号

企業事例3 日本山村硝子 多角的なサポート体制が“教わる-教える”の連鎖を生む

日本山村硝子では、昨年、研修体系の再構築を実施。新入社員研修のあり方から階層別研修に至るまで、大幅に見直しをかけた。2014年に創業100周年を迎える同社は、世界的に展開するグローバル企業でもある。そこで同社が昨年から本腰を入れて取り組んでいるのが、グローバル人材の採用だ。特徴は、20年前からフィリピンの合弁会社のサポートを受け、フィリピン人の新卒採用を行ってきたという点。海外人材も含めて“教わる-教える”の連鎖に挑戦している同社の事例を紹介する。

渡邊 悦子 氏
コーポレート本部 人事部 人材開発グループ リーダー
五百籏頭 健 氏
コーポレート本部 人事部 人材開発グループ 係長
日本山村硝子
1914年ガラスびんメーカーとして創業。兵庫県尼崎市に本社を構える。ガラスびん・プラスチック容器、粉末ガラス・ガラスペースト等の製造・販売、製びん関連設備の製作・販売等を手がける。現在ガラスびんの国内市場シェア約40%を占める。
資本金:140億円、売上高:709億2800万円、従業員数:1059名(数値はいずれも2012年3月31日現在)
[取材・文・写真] = 髙橋美香 [写真提供] = 日本山村硝子

入社3年間で社会人の基礎をつくる

1914 年にガラスびんメーカーとして創業した日本山村硝子。2014 年に創業100周年を迎える歴史ある同社は、国内市場シェア約40%を占める大手ガラスびんメーカーだ。店頭で見かけるおなじみの商品のガラスびんを多数手がける。

同社では、2011年度から研修体系の再構築を図った。

人事部の渡邊悦子氏は、研修体系についてこう話す。「当社では、若手社員への教育をOJTを軸として実施してきました。しかし、入社後の3年間は、ビジネスパーソンの基礎力を身につける大切な時期です。現場任せにせず、会社もより一層かかわりながら育成していくべきではないかと考えました。人事部と現場の連携をこれまで以上に強化し、相乗効果が出るような仕組みを検討しました」

同社では、昨年から新入社員向けの人材育成のコンセプトとして「入社3年間は義務教育として、その間に仕事の基本をしっかりと身につけ、学習を習慣化する」というテーマを掲げた。

これは、入社前(内定段階)と入社後3年間のうちに、①内定者教育(通信教育)→ ②導入教育(集合研修)→③配属後教育(OJT+通信教育)の一貫教育を行うことで、徹底して社会人としての基礎を身につけていくという決意表明でもある。

特に、現場任せになりがちなOJTは、人材開発部門と現場との連携が欠かせない。現場での人材育成をサポートする観点から昨年よりメンター制度を導入。主に若手社員の中からメンターを選定している。メンターには、新入社員が社会人として力を発揮するための指導役、相談役としての役割を期待しているという。「新入社員のうちから学習する習慣を身につけ、さらに人に教えられるレベルへと高めていく。また、メンターという役割を担うことで若いうちから人材育成の大切さ・考え方を社員に浸透させ、職場の育成の風土醸成につなげていくことを狙いとしています」

メンターには期待感をしっかり示す

これまで職場でのOJTが中心だったという同社。昨年から導入したメンター制度について、職場は導入に関していたって好意的な反応だという。

メンター制度を新しく導入しようと試みる企業では、「自分たちの頃にはそうした制度はなかった」「仕事は先輩から盗んで覚えるべきもの」「忙し過ぎて教える時間がない」など、現場から反発がある場合が少なくない。なぜ、同社では賛同の声が聞かれたのか。

理由の1つとして挙げられるのが、制度をサポートする仕組みとしての通信教育である。通信教育には、育成担当者向けのサブテキストがついており、メンターが指導上注意すべきポイントも示されている。これがメンター、メンティ両方にとってOJTを進めるうえでの指針となり、効果の高いOJTにつながる。

さらにメンター向けの研修を実施。メンターに対して、メンター制度がどのような目的で行われるのかという点を、丁寧に説明することを重視したという。

同社がメンターに期待する主な役割とは、

①メンティのモチベーション向上

②会社全体の人材育成の強化

③定着率の向上に寄与

である。こうした、会社の戦略やビジョンに加え、特に丁寧に説明を行ったのが「なぜ、あなたがメンターに選ばれたのか」という点だという。

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