J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2011年04月号

今日から実行! PDCAが回り、 人生が充実する手帳術

自分を変えてくれたのは手帳だった!
――現代のビジネスパーソンに不可欠な道具は携帯電話、メール、
そして「手帳」と語るのは、手帳を使った目標達成の達人である野口晴巳氏。
「手帳を使っているうちに、経営者になっていた」と語る氏が、
個人は手帳を使ってどうPDCAを回せば成長できるのかを語る。


野口 晴巳氏(のぐち・はるみ)
1938年山口県生まれ。1962年成城
大学文芸学部卒。1967年社団法人
日本能率協会入職。1985年中部事
業本部長、1990年ビジネスツール
事業本部長を経て、1997年代表取
締役社長に就任。2007年より現職。

取材・文/和田東子、写真/小林廉宜

「Do」から始めるPDCA

計画(Plan)→実行(Do)→振り返り(Check)→改善(Action)とPDCAを回していく際、実はこの順番通りPlanから始めるとうまくいきません。

大切なのは「C」の振り返りですが、振り返りは材料がなければできません。ですから私は「Do」から始めるようにしています。これは「実行」ではなく、「実行したことを把握する」という意味のDoです。

振り返りの材料は自分の行動ですから、まず行動を書き出します。私はいつも朝一番に、昨日1日の自分の行動を思い出して手帳に記入します。仕事についてはもちろん、プライベートについても書きます。この時、行動だけではなく、その時気づいたことや感じたことなども、どんどん書いていきます。

一通り書けたら、行動を改めて見直す。そこにあるのは嘘偽りのない自分の姿です。すると自然に「忙しいと思っていたけれど、意外と時間に余裕があるな」「会いたい人にうまいタイミングで会えていないな」といった「気づき」が生まれます。これが振り返り(Check)です。自分の行動を正しく把握して初めて、このような気づきが生まれます。気づきがなければ振り返りではありません。単に思い出すことと、振り返りは違うのです。

何か気づきがあれば、自ずと「集中できない時は一度、気分転換してみよう」「この課題については、もっと専門家の意見を聞いてみよう」といった考えが浮かんできます。それが「改善」(Action)です。改善案の次は、どうしたらその案を実行することができるのか、具体的な方法を考えます。それが「計画」(Plan)の段階です。

その日の行動はまた翌朝に振り返り、翌日の計画を立てます。もし思った通りに行動できていなければ、計画を修正してまた1日試す。つまり、「Do→Check→Action→Plan」を繰り返していくことが、目標に近づいていくうえで重要なのです。

なぜ「今年の抱負」は計画倒れに終わるのか

年頭に、何かしら目標を立てる方は多いと思います。企業も同じです。「今年はこんなことをしよう」「我が社はここに重点を置く」など、いろいろな抱負を考えるでしょう。ところが1年たってみると、ほとんど達成されなかったということがよくあります。

私は1年間の目標や心がけ、計画を、いつも手帳の裏表紙に書いています。常に目に留めて、忘れないようにするためです。毎年クリスマスを過ぎた頃になると、その年に使ってきた手帳をめくり直して、1年間、自分がどのように過ごしたのかを振り返ります。そして、翌年の新しい手帳の裏表紙に次の年の目標を書き込むのです。

ですから特に裏表紙は真っ黒。1年間の目標をたくさん書くのは難しいように思われるかもしれませんが、その年の振り返りから始めればすぐに誰でもたくさん、書きたいことを思いつくはずです。そのステップを飛ばしていきなり目標から書くから計画倒れになってしまう。自分の現実を踏まえていないので、「あるべき姿」のような、格好良い言葉ばかりが並ぶのです。自分の実態から離れた計画では実現しようがありません。

今、私の手帳の裏表紙には「感謝」と書いてあります。この歳になっても仕事ができていることや、公私にわたって私を必要としてくれる人がいることは、本当にありがたいことです。ですから感謝を忘れない1年にしようと思い、記しました。

では感謝を実行するためにはどうすればよいのでしょう。思いついたのは他の人を「たくさんほめる」ということ。よく考えると、私はあまり他の人のことをほめていませんでした。その他には「笑顔」とも書きました。誰と会う時でも笑顔で挨拶をすること。それを意識していないと、硬い、厳しい顔になりがちです。

こんなふうに自分の行動から目標を考え、それをどうしたら実行できるのか、そのためには何が必要かを書いていくと、あっという間に裏表紙は書き込みでいっぱいになっていきます。

ちなみに計画(P)は、どんどん修正していいんです。うまくいかない時には、計画の単位を分解して、小さな行動を積み上げていくことを考えます。以前私は「1年に60冊本を読む」という目標を立てたことがあります。自分の行動をチェックすると、1週間に1冊くらいは読めることがわかったからです。でも読書の習慣が定着していなかった30代の頃だったら、1年60冊という目標は大き過ぎたでしょう。

何事においても、自分にとって適切な1日の作業量があります。それを把握するためにも、日々の記録が不可欠です。

「今」「ここ」を大切にするために手帳を使う

このように自分自身の行動を正しく把握するうえで、手帳はなくてはならないものです。悲しいかな人間はどんどん忘れてしまいますから、手帳に書き留めて初めて、行動を記録に残すことができます。

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