J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年07月号

人事の職場拝見! 第30回 国際興業グループ 旧体質からの脱却でめざす 次世代の自立・変革型人材の育成

国内外に約40 のグループ会社を有し、幅広い事業を展開する国際興業グループ。時代の変化に伴う人材強化が目下の課題だ。年功序列から脱却し、成果評価とのバランスを探る中で、“国際興業らしさ”を失うことなく教育や研修施策に変化を与える人事課の取り組みを紹介する。

人々の暮らしと産業の基盤を支える
国際興業グループ
■団体データ
設立:2012年(国際興業1937年)
従業員数:2,423名(2013年3月末現在)
事業内容:乗合・貸切バスなどの運輸・交通をはじめ、流通・商事、観光・レジャー、開発・不動産等
■部門データ
総務部人事課:7名
職務内容:人材戦略策定、処遇管理、採用・人材開発および国際興業グループ全体の人事業務支援

物事を大局的に捉える自立・変革型人材を育てる

路線バスなどの「運輸・交通」を主軸に、「流通・商事」「観光・レジャー」「開発・不動産」の4つの柱で事業を展開する国際興業グループ。

現在、全社における課題として、人材の強化に取り組んでいる。その陣頭指揮を執る執行役員 総務部長の小山秀樹氏はこう語る。

「運輸業界は、監督官庁の認可や許可に左右されることもあり、全般的に保守的な傾向が強いように感じられます。こうした古い体質を完全に払拭したとは言い切れず、社員一人ひとりの現状に対する問題意識と解決力が大きな課題と考えています」

いつまでも従前のやり方にとらわれていては、変化の激しい経済環境では生き残れない。人々の生活習慣やニーズが多様化する中で、時代に沿ったサービスの提供が不可欠だ。そこで同社がめざしたのが、自立型・変革型人材の育成である。

「 物事を大局的に捉え、部分最適ではなく全体最適な考え方を持って物事を判断し、行動していく。そして、それを企業価値に結びつけていける人材が今の国際興業グループには必要なのです」

年功型から成果型へ若手中堅の折衝力を鍛える

国際興業グループでは2002 年に人事制度を改定。年功序列だった評価体系に成果型を徐々に取り入れてきた。ここ数年で、ようやく年齢にとらわれず、実力のある者が上に立つという仕組みが定着してきたという。人事課長の髙木信幸氏は、「運輸業には人材をゆっくり育てていこうという風土があります。年功主義からの脱却とはいえ、全てを“結果”だけで評価するのではなく、スピード感やインセンティブはゆるやかに、社風やそれまでの年功型の体質に合った形での運用を心がけています」と話す。

そうした無理のない体質改善を進めるうえで重視しているのが階層別研修である。中でも、新任管理職と入社4 ~ 8 年程度の若手中堅への研修に注力しているという。

「 新任管理職には人を動かす力を、若手中堅層には折衝・コミュニケーション能力を重点的に身につけてもらいます。特に運輸部門などの現場では、運転士の勤務シフトを組むようになった若手中堅社員が、自分より年上の運転士を管理するうえで戸惑いを覚えることも多く、接し方や交渉力の向上が欠かせません」

さらに、同社が階層別研修に力を入れるもう1つの理由がある。分野が異なる4事業間では、異動や人材交流が頻繁でないため、社内コミュニケーションの強化が課題となっている。そこで階層別研修を1つの切り口に、部門を越えて同年代が接し、お互いを知る場として役立てているのだ。

研修で課題を洗い出し現場に持ち帰り解決する

国際興業グループはOJT、Off -JT、自己啓発を有機的にリンクさせた人材開発に取り組んでいるが、成果主義と次世代育成の推進に伴い、昨年から運輸部門でスタートしたのが、管理職一歩手前の層を対象とした集合研修だ。職場の問題を掘り起こして解決する力を養う、OJTとOff -JTを連動させたものである。研修で“問題はどのように捉えるのか”を学び、実際に職場での課題を発見させる。そして、課題を職場に持ち帰り、同僚や後輩と一緒に取り組み、解決していく。

「 今まで意識していなかった問題に気づき、棚卸をする中で、一回り大きく育ちます。会社の期待を理解し、自ら動く。そうしたきっかけになっています」

社員を大切に育てる文化と、変革への意欲―。どのような状況に置かれても自立でき、前向きにチャレンジできる人材の育成が、同社の新たな未来への歩みを支えている。

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