J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年07月号

おわりに

自分事としてのグローバル化

本誌がグローバル人材育成をレギュラー特集に組み込んだ2011年から今年で3 年目になる。昨年、IMD学長のドミニク・テュルパン氏は、「今(2012 年9月号当時)が、日本がグローバル化するラストチャンス」だと本誌に寄稿した。

ラストチャンスに間に合ったのか、昨年から今年にかけて、大企業を中心にグローバル人材育成への大胆な動きが相次いで見られた。

大手商社3社はIMDやハーバードビジネススクールなどと組んで大規模な研修を実施し、ソニーはシンガポールに企業内大学を設置、経産省は企業の若手人材をアジアに派遣する制度を開始した。グローバル人材育成に対する本気度が見てとれる。

といっても、企業の取り組みはさまざまな段階にある。既にグローバル企業といえる企業と、グローバル化へ舵を切ったばかりの企業では育成する人材も異なる。

グローバル化の発展段階を次の4つ、①輸出の本格化、②海外生産拠点の設置、③経営の現地化、④各機能の分散と各国間の連携*、だとすると、④まで到達している日本企業は少ない。

今回取材を行った大阪ガス(P.40)と太平洋セメント(P.44)は、第3段階の企業といえる。国内市場の縮小を受けて2012 年から本格的にグローバル人材育成に注力し出した両社には共通点も多い。

グローバル人材育成のために、海外留学や海外トレーニー制度を充実させ、MBAを世界で通用する経営知識として重視している。

その一方で、全社員に対してTOEIC受験を奨励。今の時点では全員がグローバル・ビジネスにかかわるわけではないが、こうした施策によって社内には、「とうとう我が社もグローバル化に本気になった」という雰囲気が広がる。

実際にTOEICの点数が上がることよりも、こうした意識づけができることのほうが、企業の財産となるかもしれない。

日本IBM(P.48)は、既に第4段階にいる企業である。2005 年にはスキルセットの評価を全世界共通にした。スキルセットとジョブファミリーを見れば、国籍問わず、その人の実力がわかるようにしたのだ。このような準備を着々と進め、今は、“真に統合されたグローバル企業”、すなわち事業や地域を横断して、経営資源を統合・最適化できる企業となることを目標に掲げている。

目標実現を加速するために、従来の研修に加えて、若手を対象にIBM 版海外青年協力隊(通称CSC)を実施。新興国での社会貢献のために、世界各地のIBMから人材が派遣され、問題解決に当たっている。

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