J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年07月号

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第10回 「コクリコ坂から」

「コクリコ坂から」2011年 日本 監督:宮崎吾朗

川西 玲子(かわにし れいこ)氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』『映画が語る昭和史』(旧・ランダムハウス講談社)等がある。


『コクリコ坂から』
(通常版/横浜特別版)DVD&ブルーレイ 発売中
通常版DVD 4,935円(税込)
通常版ブルーレイ 7,140円(税込)
販売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
舞台は東京オリンピックの開催前年、1963 年頃の日本。メインの物語は高校生の恋愛だが、2人の周りの人物や出来事を通じ、当時の日本人の姿や志を描いている。
©2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDT

○端正な生活文化

昭和30年代の終わり、恐らく横浜をモデルにした港町で、ヒロインの海(愛称:メル)は高校に通いながら、自宅で下宿屋の賄いをしている。

自宅はもともと、祖父が医院を開いていた洋館だ。それを下宿として提供している。下宿人も含めた、この家の精神的支柱は、和服を着て背筋をしゃきっと伸ばした祖母だ。見た目も中身も、年齢相応であることが立派であるとされていた時代だった。

海は毎朝、火をおこして釜でご飯を炊く。そして皆で朝ご飯を一緒に食べる。映画はその過程を丁寧に描いてみせる。近代化と経済発展と、消費文化の隆盛と共に薄れていった「端正な生活文化」だ。

そんなある日、海は学校で1人の少年に出会う。少年は学校新聞を発行していた。その部室がある、カルチェラタンと呼ばれている古い建物が、学校側の判断で取り壊されることになった。海は成り行きで、親しくなった少年ら3人と東京に行き、理事長に直訴する。

理事長は高校生3人の情熱に心を動かされ、現場に足を運んだ。カルチェラタン取り壊しに反対する高校生たちは、きれいに掃除して理事長を迎え、校歌を歌うのである。この場面が感動的で、私は泣いてしまった。

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