J.H.倶楽部

無断転載ならびに複製を禁じます。なお内容は取材・掲載当時の情報です。

月刊 人材教育 2013年09月号

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第12回 『レ・ミゼラブル』

「レ・ミゼラブル」
2012年 英国 監督:トム・フーパー

川西 玲子(かわにし れいこ)氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』『映画が語る昭和史』(旧・ランダムハウス講談社)等がある。


『レ・ミゼラブル』
DVD発売中 ¥2,480(税込)
発売元・販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
世界の映画賞を多数受賞(ゴールデングローブ賞最多3部門、英国アカデミー賞最多4部門、アカデミー賞ではアン・ハサウェイが助演女優賞を受賞)。日本での観客動員も470万人、興行収入58億円と、国内ミュージカル映画歴代1位を記録した。
Film©2012 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED
Artwork©2013 Universal Studios.ALL RIGHTS RESERVED

昨年末に公開された『レ・ミゼラブル』は、日本のみならず世界中で大ヒットした。もともとは革命200周年を記念して、フランスで製作されたミュージカルである。ロンドンで英語版につくり直され、今や世界中で上演されている。それが映画になったと聞いた時、私は興行的に成功しないだろうと思った。映画界はシネコン全盛で、結局は派手なハリウッド映画が観客を集める。社会派エンターテインメントの傑作とはいえ、ビクトル・ユゴー原作の地味な物語を観にいく人が、どれほどいるだろうか。しかし私の予想は外れた。公開されるやいなや、社会現象と言っていいほどの大ヒットになったのである。この映画は、時代のストライクゾーンに向かって直球を投げてきた。それは「挫折と痛みの共有」である。成功した人間に華やかなスポットライトが当たりがちだが、厳しいグローバル競争の中で、実は多くの人が傷ついている。だがそれは、自らの弱さや能力の低さを認めることになるから、口に出しにくい。そんな時に、挫折を堂々と描く映画が登場した。しかも、ビクトル・ユゴーの世界的名作である。「お墨付き」を得て、観客は誰はばかることなく共感し、痛みを共有することができたのだ。

深い感動をもたらすものは

映画『レ・ミゼラブル』は、飢える妹のために、パン1つを盗んで獄につながれたジャン・バルジャンと、彼を執拗に追い続けるジャベール刑事との関係を軸に、貧しさに苦しむ民衆の姿と、王制打倒に立ち上がった若者たちの悲劇を、美しい旋律に乗せて描いたものである。

こちらはJ.H.倶楽部会員限定記事です。
ご入会後、続きをお読みいただけます。

残り:702文字

/

全文:1,403文字

【入会・年会費無料】

J.H.倶楽部は人事の仕事に役立つ特典が満載です!

  1. 総数2000本以上の人事の実務に役立つ記事(※)が閲覧可能
    ※専門誌『Learning Design』(旧『人材教育』)の記事
  2. 新サービス・お役立ち情報(調査報告書・ホワイトペーパーなど)の先行案内
  3. 会員限定セミナーへのご招待/講演動画・配布資料の閲覧
  4. 興味関心に沿った必読記事を、メールマガジンでお知らせ!