J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年10月号

ID designer Yoshiko が行く 第76回 クリエイティブな「美術館での学び」を体験!

寺田 佳子(てらだ よしこ)氏
ジェイ・キャスト執行役員、IDコンサルティング代表取締役、日本イーラーニングコンソーシアム理事、IT人材育成事業者協議会理事、eLP(eラーニングプロフェッショナル)研修委員会委員長、熊本大学大学院教授システム学講師、JICA‒NET ID Seminar講師、ASTD(米国人材開発機構)会員。著書に『学ぶ気・やる気を育てる技術』(日本能率協会マネジメントセンター)など。http://yoshiko.teradalive.net

芸術の秋である。美術館で名画を前に物想いにふけってみたい、そんなロマンの季節である。「ひとり静かに」は確かに絵になるけれど、今年はちょっと賑やかでクリエイティブな「美術館での学び」を楽しんでみませんか?えっ?そんなことしたら係の人が飛んできて、「シーっ!」って怒られちゃうんじゃないの?周りの人から白い目で見られて、いたたまれなくなっちゃうんじゃないの?そう心配するキモチ、わかります、わかります。実はこの私もそう思っていたんです、米国デンバーの美術館で「フリー・チョイス・ラーニングinミュージアム」に出会うまでは!Museum 2.0ともいわれるこの双方向的な美術館・博物館の楽しみ方、どこが面白く、なぜ今注目を集めているのか。まずは私がハマったMuseum 2.0体験を紹介しよう。

頼るべきは目と感性と好奇心

デンバー美術館はその斬新な建築と、充実したネイティブ・アメリカンの作品など幅広いコレクションでファンの多い美術館だ。そこに、デンバー近代美術館のディレクター、アダム・ラーナー氏に引率されて遠足気分でやって来た十数人は、インストラクショナルデザイナーや教師など、人材育成のプロ、学びの専門家を自称するオトナたちである。「さて、皆さん!」ネイティブ・アメリカンやアフリカン・アメリカンのコレクションが並ぶコーナーの入り口でアダムがそう声を張り上げた時、参加者は一斉にメモを取り出したりタブレットを開いたりして身構えたものだ。このコレクションの特徴は何か、なぜ高い評価を得ているのか、見逃せない目玉作品はどれか、どの順で見るべきか……。きっと大事なポイントを事前に教えてくれるに違いない、ここを聞き逃しちゃならない、そう思って身構えたのだ。しかし、アダムは、「ランチまでたっぷり2時間あるから、自由に絵を楽しんでね。そして1つだけ、あなたの大好きな作品を選んでみてね!」そう言って、手をヒラヒラ振りながら行ってしまった。……はぁ?オリエンテーションがあるはず、と思っていた参加者は拍子抜けしてポカンと立ち尽くすのみ。そして、戸惑った顔を見合わせ、中途半端に笑いながら、「ま、とりあえず、見ますか」と展示室に足を踏み入れたのである。そこでまた困ったことに遭遇。順路の指示がない、解説のパネルがない、作品のタイトルがない。ないない尽くしの空間にあるのは、「私、どう見えます?」とでも言いたげな作品のみ。

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