J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年11月号

連載 人事の職場拝見! 第34回 ビームス 昨日を超える今日をつくる クリティカル思考で生み出す“考える人材”

洋服から家具、雑貨、飲食まで幅広く展開するビームス。日本の若者に人生を楽しむためのライフスタイルを提案し続けている。そんな同社の人材開発部がめざす人材育成とは、これからを担う若手社員の可能性と多様性を引き出す研修と風土づくりだった。

ビームス
■会社データ
設立:1982年(創業1976年)
従業員数:1,628名(2013年9月現在)
事業内容:紳士服、婦人服、バッグ、靴、雑貨等の販売
■部門データ
人材開発本部:11名
職務内容:人材開発全般、研修の設計・運営等

考える力を養い昨日の自分を超える

ビームスでは昨年、「考える人の育成」をビジョンに掲げ、それまで座学が中心だった各研修を大きく方向転換した。執行役員 人材開発本部 人材開発部本部長の戸崎良文氏はこう話す。

「ビームスならではのエッセンスも盛り込んではいましたが、受講者からすると一方的に与えられる研修が多かったのです。そこで、グループワークを多く取り入れ、受講者たちが自ら考え、自ら答えを見つけ、共有できるカリキュラムへと変えました」

同社には、社長が社員に向けて発信した、ビームスのあるべき姿を示す10カ条がある。中でも重視されているのが、『今日のBEAMSは、昨日のBEAMSを超えているか』というフレーズだ。

「ビームスの進化には、社員一人ひとりが昨日の自分を超えていくことが不可欠です。それには、各々が自ら考えるような教育が必要なのです」

そこで、戸崎氏が教育・研修の軸に据えたのが「クリティカル・シンキング」である。自分自身を見つめ直し、論理的・構造的に考えられているかチェックしながら思考を進め、実際の行動に落とし込んでいくのだ。だが、研修の場ではクリティカル・シンキングという言葉をあえて出さないという。

「前面に出すと言葉に縛られ、教えられているという感覚に陥ります。そうではなく、意識せず自然と自問自答してもらうことが重要なのです」

若手中堅社員を巻き込んだ新人教育

ビームスでは入社から3年間を“義務教育”期間と定めているが、特に若手中堅社員を巻き込んだ新人教育に力を入れている。その代表的な仕組みが、部署説明会と5者面談である。

新入社員研修では毎年、部署説明会を実施し、若手中堅社員が自分の部署の業務やメンバーを紹介する。社員自身が資料を作り、説明し、新入社員と向き合う中で、改めて自分の業務を振り返り、役割を見直す良い機会となっているという。

また、OJTでは若手中堅のメンターが新人をマンツーマンで指導しながら、半年間にわたり毎月1回、新人・メンター・店舗マネジャー・エリア長・人材開発による5者面談を行う。メンターは新人指導のために自ら勉強し、知識やスキルを高めると同時に、面談に立ち会うことで気づきが生まれ、ひと回り大きく成長していくのだ。

不易流行で企業風土を変えていく

「会社とは、大切に守っていくべきものがあり、それを軸としながらも新しいことを取り入れていかなければ勝ち残っていけない。“不易流行”という言葉を常に意識しています」と戸崎氏は話す。

3 年半前、ビームスでは“HAPPY委員会”を立ち上げた。6~7人の30代を中心としたメンバーを全社横断して指名。会社に問題提起をすることを主眼に、半年間、週に1度集まって話し合いを行う。出される案件は多岐にわたり、企業理念の明確化など実際に実践されたアイデアもあるという。若手の発想と当事者意識を養い、考える人へと育てるのが狙いだ。さらに、こうした若手からの発信が40・50 代にも刺激を与えているという。

「ビームスは今年で創業37年を迎え、40 代、50 代の社員がたくさんいる会社になりました。しかし、昔ながらの価値観にとらわれることなく、これからは全社に影響を及ぼすような企画を若手中堅がどんどん出せるような風土をつくっていきたいですね」

自ら考え、自らの力で昨日の自分を超えていく社員たちが、ビームスの新たな明日を形づくっていく。

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