J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2013年11月号

Column 1 Evernoteが引き起こす 企業と個人のオープン化

インターネットの発展により、考えられないほどの情報を個人が手にしている。その情報社会においてITツールを使いこなす重要性が増しているが、どうしていいのかわからない人も多い。そこで、本記事ではツールを提供する企業―― “外部脳”と呼ばれる『Evernote』の開発・提供を行う――Evernote社にどのような未来を実現したいのかを聞き、ITツールの本質を紹介する。

井上 健 氏
エバーノート日本担当 ジェネラルマネジャー

Evernote Corporation
米シリコンバレーに本社を構えるベンチャー。2008年に、情報を蓄積するクラウド・サービスを提供する事業を開始。世界で7,500万人のユーザーを獲得。米本社、東京を含む世界10 拠点にオフィスを有する。従業員数:約330名(2013年9月30日現在)

[取材・文]=西川敦子 [写真]=浦上毅郎

昨今、GoogleやSNSの登場により、個人の情報ネットワークは格段に広がった。Evernoteは溢れる情報を収集、整理し、蓄積するツールで国内のユーザー数はすでに600万人を超えている。

これら情報ツールの普及は、組織のあり方、人材の質をどのように変えていくのだろうか。

エバーノート日本担当 ジェネラルマネジャーの井上健氏は、Evernoteのめざすところを次のように説明する。

「人を記憶という労役から解放し、代わりに生産性を高めることに集中させるのが、Evernote。スマートフォンの誕生で、情報のポータブル化はますます進んでいます。それと共に仕事とプライベートの境界線も曖昧になってきました。個人向けアプリとして開発されたEvernoteではありますが、実際には、ユーザーの7割近くは仕事でEvernoteを利用しているようです」

読んだ本、気になったニュース、思いついたアイデアなど、あらゆる情報をラッピング化し、「ネタ帳」にできるのがEvernoteの魅力だ。そこからインスピレーションを得ようとするユーザーは多い、と同氏は言う。ヘビーユーザーの中にはお笑い芸人もいるのだとか。

「情報との出会いは、いわば1人ブレーンストーミングのようなものでしょう」

しかも、それら記憶との出会いは、「季節」「場所」「出来事」「人」「日付」など、あらゆる切り口から呼び出すことが可能だ。ある意味、人間の脳の記憶力に近いシステムが組み込まれているわけだが、それをはるかに超えるアウトプットも期待できる、と井上氏。

「こうしたツールを使えば、1つの記憶も角度を変えて見ることが可能になります。だからこそ、ある時ある人とある店で交わした会話が、後に驚くようなコラボレーションにつながったり、販促に結びついたり、新商品のアイデアを促したりするのです」

個人の記憶をログ化するツールの普及は、眠っていた記憶を呼び覚まし、新たな発見、アイデアへとつなげ、これまでには考えられなかったような成果に結びつく可能性がある。

個人向けツールが組織に侵食し、組織の内外の壁が壊れる

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