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月刊 人材教育 2013年11月号

連載 人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第14 回 『ミリオンダラー・ベイビー』

「ミリオンダラー・ベイビー」
2004年 米国 監督・音楽:クリント・イーストウッド

川西 玲子(かわにし れいこ)氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』『映画が語る昭和史』(旧・ランダムハウス講談社)等がある。

『ミリオンダラー・ベイビー』
DVD発売中 ¥3,990(税込)/2枚組
発売元:ポニーキャニオン
販売元:ポニーキャニオン
クリント・イーストウッド監督・主演で米アカデミー賞主要4 部門を制覇した、衝撃的ヒューマン・ドラマ。愛に見放された女性ボクサーと、老トレーナーの葛藤と絆を描く。

『ミリオンダラー・ベイビー』は私にとって、今やアメリカを代表する映画監督となったクリント・イーストウッド監督作品の中でも、特に印象に残っている映画だ。決して楽しい映画ではないが、一度観たら忘れられない。2004年度のアカデミー賞四冠を獲得した。

物語は、老いたトレーナーと女性ボクサーの話だ。トレーナー(フランキー・ダン/クリント・イーストウッド)は毎日教会に通い、遠くにいる娘に手紙を書き続けているが、全て返送されてくる。ジムで雇っている元ボクサー(エディ“スクラップ”/モーガン・フリーマン)は、かつてトレーナーが組んだ試合で失明し、選手生命を絶たれた。さまざまな過去を背負っている2人のところに、ある日、女性がやってくる。

13歳からウェイトレスをして生きてきた、31歳の女性マギー(ヒラリー・スワンク)だ。父親は死亡、弟は刑務所。妹は不正申請で生活保護を受けており、母親は体重145キロ。マギーは中古のトレーラーハウスで育った。一人暮らしを始めてからも、客が食べ残した肉を持って帰るほどの窮乏生活で、テレビもない。本当の孤独の中で生きていた。そんな彼女が、ボクシングで人生を取り戻そうとする。

○指導の裏にあるもの

最初から指導を受けるつもりで「ボス」と呼んでくるマギーを、老トレーナーはなかなか受け入れない。しかし、ジムで働く元ボクサーがまず手を差し伸べ、ついに老トレーナーも折れる。この元ボクサーは、ボクシングに夢を持つ若者に優しい。

老トレーナーは、負けず嫌いで猪突猛進型の頑固なマギーを抑えつつ、問いかけながら自分で考えさせて、資質を伸ばしていく。攻撃一本槍のマギーに、「自分を守る」ことを繰り返し教える。気性を見極めたうえでの、ポイントを押さえた適切な指導だ。

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