J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年08月号

連載 人事の職場拝見! 第43回 自発的な学びのカルチャーが広がるモチベーションが体現できる機会の提供

世界的な製薬メーカー、グラクソ・スミスクライン。その日本法人は、学びの機会の法則「70:20:10(仕事上の経験:対話:研修)」を教育のベースとしながら、日本独自の戦略としては次世代の経営を担う高い意欲とリーダーシップ力を持った人財を育てる仕組みづくりに挑んでいる。

生きる喜びを届けるグラクソ・スミスクライン
■会社データ
設立:1953年
従業員数:約3800名 (2013年12月31日現在)
事業内容:医療用医薬品、一般用医薬品、トイレタリー製品の研究開発、輸入、製造、販売

■部門データ
採用・人財開発部:11名
職務内容:採用全般、教育研修、組織開発

GSKマインドの浸透

グラクソ・スミスクライン(GSK)グループは2014年、従来の「社員に求める要件」を進化させ、新たに6要件としてまとめた「GSKExpectations」を打ち出した。その要件の1つが「GSKの価値観を体現する」というものだが、価値観とは、1.相手を尊重する姿勢、2.透明性の高い活動、3.患者さん中心、4.品位ある行動の4つを示す。人財本部 採用・人財開発部 部長の奥村由香氏は、「GSKにおける全ての事業活動や決定が患者さんのためになることをめざし、たとえ人事であっても自分の仕事がどう患者さんの役に立つのかを考えます。社員全員がこのマインドを持つことが重要であり、研修をはじめ社内のアクティビティでもGSKの価値観を思い起こす活動を仕掛けています」と話す。

意欲を発揮する場をつくる

「GSKの価値観」を指針に行動することが求められる中で、GSKジャパンの社員は非常に意欲的だ。中でも、社員がファシリテーターを務める「コーチング体験ワークショップ」と、社内の課題をプロジェクト化し、社員自身が取り組む「ピープル・プロジェクト」は同社の社員の積極性を表す好例である。コーチング体験ワークショップのファシリテーターは社内認定制度により、アセスメントをパスした20名が現在活躍している。各ワークショップの担当となった3、4人のファシリテーターは、開催前に自主的に練習を行い、終了後は即座に振り返りを実施。ファシリテーターとして得た学びを他のファシリテーターと共有し、互いのスキルアップに貢献している。一方、ピープル・プロジェクトは、全社横断的に取り組む会社を良くするための社員参画型の施策だ。例えば今年度は、「キャリア能力開発プロジェクト」「GSKの価値観プロジェクト」「ダイバシティプロジェクト」の3つを展開しているが、これも手挙げ式でメンバーとプロジェクトリーダーを募集する。メンバー同士で協力し、自主的に取り組まなければならないが、希望者は絶えない。「参加者の多くは、“仕事に役立てたい”“次へのステップにしたい”といった強い向上心を持ち、そういうモチベーションを発揮できる機会がところどころにあるのです」現在GSKは、部署を越えた横のつながりを醸成する取り組みをグローバル全体で促進し、周囲を巻き込みながら自分に何ができるのかを考え、意識的に発信することを求めている。そうした背景も、社員の意欲を刺激する一因になっているようだ。

若手のリーダーシップ教育

GSKジャパンが今注力しているのが、リーダーシップをキーワードとした中堅・若手の育成である。新任管理職以上には、GSKのリーダーとして必要な要素を習得する全世界共通の研修プログラムがあるが、日本独自の施策として、「若手選抜型リーダーシップ育成プログラム」を立ち上げ、今年2014年、その第1期生を育てる。課長層から優秀な人財を選抜し、ビジネスプランニングの基礎の理解から実践的な戦略提案まで、8カ月かけ経営者の目線を身につけてもらう計画だ。「将来経営陣になれる優秀な人財が若手・中堅層に育ってきているのか、そこを見極める、“見える化”するという意味もこのプログラムには含まれています」社員が自ら成長することを強力に後押ししたい――。一人ひとりが持つ強みと意欲を余すところなく活かす施策づくりが、自ら考え行動する社員と企業文化を支えている。

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