J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年08月号

ワンワード論語 最終回 「驕」

成功したり、自信がついてくると同時に芽吹いてくるのが、「驕」の心。
これはあなたの実績を台なしにするほどの強烈なマイナスパワーを有しています。

青柳 浩明(あおやぎ ひろあき)氏
ビジネス論語スクール主宰、(財)岩崎育英文化財団理事。幼少から40年論語を学びSE、 PM、経営企画他、多くのビジネス現場で実践を積む。ビジネス論語の伝播活動として企業等で講演等を実施する。日本経営品質賞審査員他。
aoyagi@rongo-school.com

[イラスト] = 秋葉 あきこ

「光陰、箭の如し」、現代に置き換えれば、“時の速さはミサイルのよう”でしょうか(なんとも味気ありませんが)。ワンワード論語、今回が最終回となりました。2年にわたりご愛読いただき誠にありがとうございました。さて、最終回のワードは、師匠であった故・大田観川から20年近く私が戒められてきた「驕」です。珍しいワードではありませんが、どうしてへんに馬がいるのか不思議に思えます。それは、馬に乗った人が下の人を見下している様子を表現したワードだからです。時代劇で馬上のお役人が地面にひれ伏す民衆に対峙しているシーンをイメージしてください。何とも偉そうですよね。このワード、『論語』にはわずか6章句のみの登場です。それをあえて取り上げたのは、このワードが、今、自分は成功していると感じている人、または成功しつつある、調子に乗ってきたと感じている人を奈落の底に突き落としていく、恐怖のワードだからです。今月の論語1をご覧ください。いかに「驕」が恐ろしいかを伝えるために、聖人孔子が夢に見るほどまで尊敬し憧れていた周公という人物を引き合いにまで出した教えです。周公は紀元前11世紀頃の中国の王朝、周王朝建国時の立役者で、政治・文化等の基盤を確立し、孔子さんの母国である魯国を任せられた人物です。周公は「才の美」、つまり人格も業績においても偉大な人物でした。理解しやすいよう、この美を、自ら築いた莫大な財産と仮定しましょう。「驕」かつ「吝」(精神的にも物質的にもケチ)であることは、その莫大な財産と同額の借金をすることです。ですから「驕」という借金をすれば、豊富な財産を有していたとしても、「余」、残高はほとんどなくなる。それだけ「驕」は大きく恐ろしいものであると教えているのです。日々、会社の倒産や、個人の人生の失敗についてが報道されています。原因はそれぞれでしょうが、真因、つまりその根底には必ずこの「驕」があります。もちろん私たちの失敗やつまずきの裏にも。では、どうすれば「驕」を抑えることができるでしょうか。その答えは、今までのワードにありますので復習してみてください。中でも特に肝要なワードが第15回の「敬」です。「敬」における具体的な心構えを表現した素晴らしい教えが日本にはあります。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。これを実践するためには、成功を感じたつど、周りの人々や、自分を成功に導いてくれた、目には見えぬ偉大な力に頭を下げて感謝することです。また、頭を垂れた稲は、失敗や困難といった逆風が吹こうとも、折れることなく、しなやかに自らを保ち続けられるものなのです。

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