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月刊 人材教育 2014年08月号

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第22回 『フラガール』

川西 玲子(かわにし れいこ) 氏
1954年生まれ、メディア・エンタメ時評。中央大学大学院法学研究科修士課程修了(政治学修士)。シンクタンク勤務後、企業や自治体などで研修講師を務めつつ、コメンテーターとして活動。著書に『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』『映画が語る昭和史』(旧・ランダムハウス講談社)等がある。


『フラガール』
DVD発売中 ¥2267(税抜)/1枚組
発売元:ハピネット 販売元:ハピネット
1960 年代、斜陽となった炭鉱の危機を救うため、起死回生を賭けて始めた再生事業、常磐ハワイアンセンター。その誕生から成功までの実話を元に描かれている。復興への人々のひたむきさと、本格的なフラダンスショーが感動を呼ぶ。第30 回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞。
©2006 BLACK DIAMONDS. All Rights Reserved.

この原稿を書いている5月下旬、映画館では『アナと雪の女王』が大ヒットを続けている。この映画は、20代から40代の女性の心をわしづかみにした。キーワードは主題歌「Let It Go」に出てくる、「ありのままの自分」である。 多くの女性たちがCDを買い、映画を観ながら「ありのままの姿見せるのよ~」と歌っている。今の時代、ありのままの自分でいるのが一番難しいからだ。何しろカラーコンタクトが必須の時代である。生まれ持った本来の目さえ、人前でさらせない。素の自分をさらすのが、とても難しいのである。女性の活用が叫ばれているが、女性たちは戸惑っている。「いい家庭を持ちキャリアを積み上げ、くびれとマイナス5歳肌を誇り、いつも輝いている」というマスコミが持ち上げる女性像に、みんな疲れているのである。その時代の女性たちが抱える、もやもやした気持ちをすくい上げて大ヒットした映画は、今までにも何本かあった。その1つが、前回取り上げた『タイタニック』であり、今回取り上げる『フラガール』である。

笑顔のフラダンスの陰に

小さな独立系会社シネカノンが製作した『フラガール』は、アカデミー賞外国語作品賞日本代表に選ばれたが受賞を逃し、世界市場には出られなかった。だが、『タイタニック』に劣らない素晴らしい作品である。2000年代の日本映画界が生んだ収穫の1つだ。この映画は、ある世代以上の日本人なら聞いたことがあるはずの、常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)誕生をめぐる物語である。私も子どもの頃、テレビでよくCMを観た。子ども心に、福島県になぜハワイアンセンターがあり、日本人が踊っているのか不思議に思っていた。

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