J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2014年09月号

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第18回 今、改めて見直される「練習」の重要性

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

菊池 健司(きくち けんじ)氏
日本最大級のビジネス&マーケティング情報提供機関であるマーケティング・データ・バンク(MDB)所属(URL:http://mdb.jmar.co.jp/)。人事・研修関連セクションでは社員選抜研修の一環でMDBを利用する傾向が増加中。顧客とのコミュニケーションにおいては豊富な知識が欠かせず、読書を通じてさまざまな分野の情報を貪欲に収集している。モットーは、「1日1冊」「週末精読」。E-mail:Kenji_Kikuchi@jmar.co.jp

練習という言葉から何を連想するであろうか。忍耐、反復、苦痛......。この言葉の響きをあまり前向きに捉えることができないかもしれない。私は学生時代、バドミントン部などの部活動に参加していたのだが、すでに30年も前の記憶とはいえ、練習が大変だったことだけはよく覚えている。青春時代の思い出といえば聞こえはいいが、とにかくくたくたになるまでしごかれた。部活動はほとんどが練習で、数少ない試合で勝つために、モチベーションを維持しながら、何とか取り組んでいたことをつい昨日のことのように思い出す。さて、ビジネスにおける練習とは何か。目的はスポーツもビジネスも大差ない。本番で成果につなげるための、大変重要かつ必要不可欠な要素である。オリンピックなどスポーツの世界大会を見ていると、メダルを獲得後に大抵ドキュメンタリーで練習風景が流される。そこで改めて練習がクローズアップされる。大変な思いをしてここまで上り詰めたのだなと素直に感動するのだが、ビジネスの場合、そこまで練習がクローズアップされることはまずない。しかし、練習なくして成功することもまずないのだ。プレゼンテーション(以下プレゼン)ひとつとってみても全てに練習が求められる。顧客先でのプレゼン、役員説得のための社内プレゼン、人事担当者であれば優秀な人材を獲得するための採用プレゼンなど、これらをすぐに完璧にできる人はいない。誰かに見てもらって指摘を受けたり、自宅で鏡を見ながら立ち居振る舞いや姿勢をチェックしたり、録音して聞いてみたりと、プレゼンに長けた人は皆この手の練習を欠かさない。自信をつけるためには練習に励むしかないのである。ビジネスも練習→成果の繰り返しなのだ。人材育成のシーンにおいても、練習の重要性を繰り返し説いていくことを強くお勧めする。今回紹介する練習関連書籍の特徴は、以下に大別される。1.プロスポーツ指導者の練習に対する考えをビジネスに活かす2.プロスポーツ選手自身の練習への取り組みに言及3.ビジネスで必要なさまざまな雛形を提示し、繰り返し行い成果を上げる特に最近の注目書籍は1で、今後の人材育成にそのまま応用できる内容が満載である。1995~1996年にJリーグの名古屋グランパスを率いた名将アーセン・ヴェンゲル氏(現・英プレミアリーグのアーセナル監督)は当時、お世辞にも強いとは言えなかったチームを練習方法の改善をベースに一からつくり直し、最初は成果が出なかったものの、結果、見事天皇杯優勝に導いた。優勝後のコメントで発した言葉は、私の座右の銘となっている。「ある日突然なんていうことはないんだよ」練習の重要性を再認識しながら、これからも頑張っていきたいものである。

1.『育てる技術』

ジョン・ウッデン+スティーブ・ジェイミソン著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/1300円+税/2014年1月米国バスケットボール史上最高の監督といわれるジョン・ウッデンの著作。特に指導的立場にある人は読むべきであろう。2004年に初版が発行され、今回新装版として発行された名著。復刊本や新装版本は常に注目しておきたい。

2.『成功する練習の法則』

ダグ・レモフ+エリカ・ウールウェイ+ケイティ・イェッツイ著/日本経済新聞出版社/1900円+税/2013年6月全米カリスマ教師によるベストセラー。この本を読めば、ビジネスにおける練習の重要性をより深く理解できる。そこまでするのか、という発見満載の一冊。読み応え十分で今回一番のお勧め。

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