新連載 新しきは足下にあり 第1 回 「明けまして」の意義
「晦日」の意味は、暗い
明けましておめでとうございますと、今年も新年のあいさつを交わす時を迎えるわけですが、この「明けまして」の明けるという言葉には、社会や組織の真のあり方のヒントが含まれているように思います。
まず、月末のことを何と言うかといえば、これを「晦日」といいます。
晦日の意味は、暗い。
月のない闇夜を表わした言葉で、そこから転じて、良くわかっていない状態や物事に精通していないことをいいます。
月末になるとその月の清算をします。その月の取引を明確にし、売り買いや貸し借りの結末をつける囗をいいます。
同時に、1 人の人間として、その1ヵ月の間の自分の言動や行いを棚卸しして、何に暗かったか、つまり何を良くわかっていなかったか、精通していなかったかについても、明確にします。
江戸期は、いわゆる「知行合一」で、知識を得ただけでは50 点、そのことを実行して初めて満点になるという考え方でしたから、暗いことが明確になればすぐに実行して、これを明るくしていきます。